No.1284


 6月12日、東京から北九州に戻りました。 11日、出版打ち合わせと会議のあいだに、アメリカ映画「マスターズ・オブ・ユニバース」をTOHOシネマズ日比谷で観ました。正直あまり期待はしていなかったのですが、なかなか面白かったです。でも、ネットで異常なまでに絶賛されているほどではなかったですね。
 
 ヤフーの「解説」には、こう書かれています。
「1980年代に誕生し、フィギュアやアニメなどで人気を集めた『マスターズ・オブ・ユニバース』の実写版アクション。戦火から逃れるために幼くして地球へと送り込まれたある惑星の王子が帰郷し、宿敵によって陥落した故郷を救うために立ち上がる。監督を手掛けるのは『バンブルビー』などのトラヴィス・ナイト。『赤と白とロイヤルブルー』などのニコラス・ガリツィン、『アップグレード:どん底女子の幸せ探し』などのカミラ・メンデスのほか、ジャレッド・レトー、イドリス・エルバらがキャストに名を連ねている」
 
 ヤフーの「あらすじ」は、以下の通りです。
「惑星エターニアの王子として誕生したアダム(ニコラス・ガリツィン)だったが、彼が幼いころに戦争が始まったためアダムは見知らぬ土地・地球へと送り出される。15年後、成長したアダムは伝説の剣『パワーソード』を探し当てる。その剣に導かれるように故郷へと戻った彼は、邪悪な宿敵スケルターによって陥落したエターニアを目にする」
 
 この映画、タイトルといい、ポスターといい、予告編といい、まったくわたしの鑑賞欲を刺激しませんでした。「アメリカ人が好きな脳筋モノだな」「『スターウォーズ』とかマーベル映画の亜流っぽいな」と思ったのです。実際、脳筋モノではあったのですが、「スターウォーズ」やマーベル映画の亜流などではありませんでした。基本的に1話完結の物語(最後は次回作を匂わせていましたが)であり、シリーズの前作を観ておくなどの予習が不要なのが有難かったです。

 本作は、マテル社が発売した玩具の世界を映画化したものですが、同社はバービー人形の製造元としても知られています。そう、一条真也の映画館「バービー」で紹介した2013年日本公開の大ヒットに味をしめたマテル社が第二弾を狙ったようですね。世界中で発売されているファッションドール、バービーを映画化したファンタジー。ハッピーな毎日を送ることのできるバービーランドで暮らすバービーとケンが、リアルワールド(人間の世界)に迷い込む物語です。"バービーランド"はどんな自分にでもなれる、夢のような場所です。そこに暮らすバービー(マーゴット・ロビー)は、ある日突然、体に異変を感じます。バービーは原因を追求するべく、ボーイフレンドのケン(ライアン・ゴズリング)と共に人間の世界へとやってきます。そこでバービーは、自分の思い通りにならない経験をするのでした。

「マスターズ・オブ・ユニバース」が映画化されるのは今回が初めてではなく、2回目となります。1回目は、1987年に公開され、邦題は「マスターズ/超空の覇者」でした。キャノン製作による「ロッキー4/炎の友情」(1985年)でドラゴを演じたドルフ・ラングレン主演のSFアクション。魔王により地球に飛ばされた宇宙の勇者"HE-MAN"が、地球人の協力の下、様々な困難を乗り越えやがて悪の魔王を打ち倒すまでを描きます。監督はTVシリーズ「キャプテン・パワー」のゲイリー・ゴダード。B級感全開ですが、妙にクセになる魅力があると一部で強い人気を誇っています。ちなみに、ドルフ・ラングレンは本作「マスターズ・オブ・ユニバース」でも主人公にジムでアドバイスする老人役で出演しています。
 
「マスターズ/超空の覇者」からじつに39年ぶりに作られた本作ですが、相変わらずB級感はするものの、本格的なセットを見ても相当にお金をかけた超大作といった印象です。「なんか、『コナン・ザ・グレート』に似ているなあ」と思ったのもそのはず、本作の主人公ヒーマンはコナンをモデルにして作られたそうです。随所にギャグが散りばめれているのですが、いかにもアメリカ人向けのギャグで、わたしはまったく笑えませんでした。マーベル映画のように原作はコミックではありませんが、どうしようもないチープ感はアメコミを原作とする映画よりも上回っていましたね。
 
 本作の主人公ヒーマンを演じたのは、ニコラス・ガリツィン。いかにも全身(もちろん脳も)筋肉でできているようなマッチョな兄ちゃんといった感じでした。ヒーマンと共に戦う女戦士ティーラ役をカミラ・メンデスはとても美しくて良かったですね。ちょっと「ワンダーウーマン」シリーズのガル・ガドットを思わせるルックスで、一発でファンになりました。その他、ヒーマンや仲間たちにとって父親的存在となる屈強な戦士マン・アット・アームズ(=ダンカン)役をイドリス・エルバ、本作のヴィランである骸骨の顔を持つスケルターをジャレッド・レトがそれぞれ演じています。しかし、スケルターの外見がこの映画を「どうせ子ども向けだろう」と思わせる最大の要因になっていることは間違いありませんね。それにしても、ネットが本作の高評価レビューで溢れている理由がよくわからないのですが......。