No.1289
東京に来ています。6月18日、出版打ち合わせの間の時間を使って、ニュージーランドのスリラー映画「ジェニー・ペンはご機嫌ななめ」をヒューマントラストシネマ有楽町で観ました。ポスターで強い存在感を放っている指人形が主役かと思いましたが、その持ち主のイカれた爺さんの恐怖を描いた内容でした。期待していたのですが、正直イマイチでした。
ヤフーの「解説」には、「とあるケアハウスを舞台に、高齢者たちを待ち受ける悪夢を描くサイコスリラー。体が不自由になり施設に入居した元判事が、ジェニー・ペンと名付けられた指人形を操って入居者たちを支配する男に追い詰められていく。ジェームズ・アッシュクロフトが監督、『M3GAN/ミーガン』などに携わってきたポール・ルイスが人形デザインを担当。『レイジング・ケイン』などのジョン・リスゴーが施設を牛耳る男、オスカー俳優のジェフリー・ラッシュが元判事を演じ、共にシッチェス・カタロニア国際映画祭最優秀男優賞を受賞した」と書かれています。
ヤフーの「あらすじ」は、「長年判事を務めてきたステファン・モーテンセン(ジェフリー・ラッシュ)は病に倒れ、車椅子生活を余儀なくされる。やむなく入居したケアハウスには、ジェニー・ペンと名付けたドールセラピー用の指人形を手に、陰湿ないじめで高齢者たちを支配するデイヴ・クリーリー(ジョン・リスゴー)という入居者がいた。やがて彼に目を付けられたステファンはいじめの標的にされ、デイヴの理不尽で悪質な嫌がらせがエスカレートしていく」です。
長年判事を務めた後にケアハウスに入所したステファン・モーテンセンを演じたジェフリー・ラッシュ。施設内の高齢者たち支配するデイヴ・クリーリーを演じたジョン・リスゴー。この二大俳優の演技合戦が最大の見どころですが、頑固爺とイカれた爺の心理戦は観ているこちらの神経まで磨り減るほどでした。逃げ場のない施設内での高齢者同士のいじめは陰湿そのもので、暗い気分になりました。共に老い先が短い者同士なのに、「老人が老人をいじめて、どうする? 恥を知れ!」と言いたいです。「人は老いるほど豊かになる」というわが「老福」の信念が揺らぐではありませんか!
前代未聞の超高齢化社会を迎えるわたしたちに今、もっとも必要なのは「老い」に価値を置く好老社会の思想であることは言うまでもありません。世界に先駆けて超高齢化社会に突入する現代の日本こそ、世界のどこよりも好老社会であることが求められます。日本が嫌老社会で老人を嫌っていたら、何千万人もいる高齢者がそのまま不幸な人々になってしまい、日本はそのまま世界一不幸な国になります。逆に好老社会になれば、世界一幸福な国になれます。まさに「天国か地獄か」であり、わたしたちは天国の道、人間が老いるほど幸福になると信じて生きたいものです。


