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「だぁれかさんとアソぼ?」

No.1363

東京に来ています。7月29日、日本のホラー映画「だぁれかさんとアソぼ?」を丸の内ピカデリーで観ました。一条真也の映画館「ミンナのウタ」「あのコはだあれ?」で紹介した作品の続編です。本作で三部作が完結するようですが、そういった情報はほとんど発信していませんでしたね。映画は近年稀に見る駄作でした。

ヤフーの「解説」には、こう書かれています。
「タブーとされていたある遊びが恐怖を引き起こすホラー。学校の階段の13段目でカセットテープに名前を吹き込むと、その人が死ぬという遊びに興じた学生たちに怪異が降りかかる。監督を務めるのは『呪怨』シリーズなどの清水崇。アイドルグループ『FRUITS ZIPPER』の鎮西寿々歌、『ゴールド・ボーイ』などの星乃あんな、『水は海に向かって流れる』などの大西利空のほか、向井怜衣、小國舞羽、室はんならが出演する」

ヤフーの「あらすじ」は、以下の通りです。
「若者たちの間で、学校でのある遊びがひそかに流行していた。それは誰もいない学校の階段の13段目でカセットテープに名前を吹き込むと、その人は死ぬというものだった。ある高校の生徒たちがこの遊びをしたことがきっかけで、校内で思いも寄らない事件が起きる。動揺する生徒たちのメンタルケアのために心理カウンセラー・平瀬小春(鎮西寿々歌)が学校に招かれるが、遊びを実行した生徒の一人が小春の妹・菜々美(星乃あんな)だったことを知る」

清水監督は、Jホラーの第一人者とされています。ここ数年、一条真也の映画館「犬鳴村」、「樹海村」、「牛首村」で紹介した一連の「恐怖の村」シリーズを発表しましたが、反響はまずまずでした。しかし、一条真也の映画館「忌怪島」で紹介した2023年の映画がまことに駄作で、まったく怖くなく、当然ながらヒットもしませんでした。とある島を訪れたVR研究チームに襲い掛かる恐怖を描く物語です。脳科学者・片岡友彦(西畑大吾)とVR研究チーム『シンセカイ』のメンバーは、現実世界とそっくりな仮想空間を作る研究のため、シャーマンがいる島で研究に勤しんでいました。しかし、システムエラーやバグが突如出現することに加え、不審死が続くなど、不可解な出来事に次々と遭遇。友彦は園田環(山本美月)と共に、島で相次ぐ怪異の真相を解き明かそうと奔走するのでした。

「忌怪島」の大失敗でホラー映画の監督としてどん底に落ちた清水監督ですが、その直後に発表したのが「ミンナのウタ」でした。1本のカセットテープから流れるメロディーを耳にした人々が、次々と怪異に巻き込まれる物語です。ラジオ番組のパーソナリティーを務める「GENERATIONS from EXILE TRIBE」の小森隼は、収録前にラジオ局の倉庫で「ミンナノウタ」と書かれた1本のカセットテープを見つけます。その後、収録中に謎の声を耳にした彼は、ライブを数日後に控えているにもかかわらず突然失踪。マネージャー・凛(早見あかり)の依頼を受け、元刑事の探偵・権田(マキタスポーツ)が調査に乗り出しますが、メンバーの周りで不可解な出来事が続発するのでした。

「ミンナのウタ」の続編が「あのコはだあれ?」でした。臨時教師として補習クラスを担当していた君島ほのか(渋谷凪咲)は、ある女子生徒が屋上から飛び降りる瞬間を目撃します。再び夏休みに補習授業で指導していたほのかは、いるはずのない生徒の存在に気付きます。ほのかと補習授業を受けていた三浦瞳(早瀬憩)や前川タケル(山時聡真)ら生徒たちは、やがてその女子生徒にまつわる衝撃の事実を知るのでした。わたしは、同作のレビューを記したブログに「とても面白かったです。『ミンナのウタ』以前の一連の作品が大コケした清水崇監督ですが、ホラー映画史に残る名作『呪怨』の世界を蘇らせて完全復活です!」と書きました。

せっかく「完全復活!」と大絶賛した「あのコはだあれ?」でしたが、さらに続編となる本作「だぁれかさんとアソぼ?」はまったくダメでした。というか、これまでの清水作品の中でも最低の部類ではないでしょうか。だいたい、「誰もいない学校の階段の13段目でカセットテープに名前を吹き込むと、その人は死ぬ」って何ですか? 中学生が修学旅行で口にする怪談ですか? あまりにも安易な設定ではありませんか。怪異の説明も、「ミンナのウタ」と「あのコはだあれ?」の単なる炊き直しに過ぎず、本当にガッカリしました。清水監督、こんな映画を作ったらダメですよ!

今年の清水監督は多作で、本作を含めて3本も映画製作をしています。一条真也の映画館「口に関するアンケート」で紹介した7月公開のホラー映画もその1本です。背筋の小説『口に関するアンケート』を実写化したミステリーで、仲間と墓地で肝試しをした翌日に姿を消してしまった女子大生をめぐる仲間の証言に隠された真相を描きます。心霊スポットとして知られる墓地にある『呪われた木』の存在を聞き、5人の大学生が肝試しに向かうが、翌日にそのうちの一人の女性が行方不明になる。さらに、ほかの4人の周囲で不可解な現象が起きるようになります。この作品も残念ながら駄作でした。

さらに、清水監督は横溝正史の代表作『八つ墓村』を映画化し、9月18日に全国公開が予定です。内定ゼロ、彼女ナシ。大学生・井川辰弥(奥智哉)のもとに舞い込んだ母の訃報。奇妙な探偵・金田一耕助(尾上松也)に誘われ、岡山県山奥に潜む「八つ墓村」を訪れます。封印された、ルーツと怨念の記憶が目を覚まします。村では、名家・田治見家の莫大な遺産の相続人である辰弥の帰還に合わせたかのように、不可解な連続殺人事件が発生。金田一耕助と共に、事件に巻き込まれてゆきます。美しき未亡人・森美也子(堀田真由)、双子の大叔母(高島礼子)、不気味な村人たち 。誰も知らない“八つ墓”の秘密が今明かされるのでした。

本作「だぁれかさんとアソぼ?」は怖くもなく、ストーリーもつまらなくて、本当にどうしようもない作品でしたが、染谷将太が出演していました。最近の彼は、一条真也の映画館「廃用身」、「チルド」といった異色のホラー映画で素晴らしい演技を見せてくれていました。特に「チルド」は大傑作でした。東京の片隅にあるコンビニエンスストアで学生時代から働き始め、今は副店長を務める堺(染谷将太)。彼は、ちょっとしたミスや乱れを許さないオーナー(西村まさ彦)のもとでレジ打ち、品出しといった業務をこなしながら、スマートフォンゲームやマッチングアプリに没頭する毎日を繰り返している。そんな中、新人アルバイトの小河(唐田えりか)が働き始めたことをきっかけに店の均衡は静かに崩れ始め、思いも寄らない事態が起きるのでした。

「だぁれかさんとアソぼ?」では、「チルド」での染谷将太の達意の演技をまったく見ることができず、まことに残念でした。これでは、彼を起用した意味がありません。出演陣も、よく知らないアイドルみたいな女優が多く、演技もイマイチでした。しかしながら、FRUITS ZIPPERの鎮西寿々歌だけは光っていました。彼女は現在27歳だそうですが、美人ですし、演技も上手いです。これからもっと活躍して注目される役者さんではないかと思います。それにしても、ホラー映画としての「だぁれかさんとアソぼ?」はひどかったです。せっかく才能があるのに、こういった作品で映画デビューする鎮西寿々歌が気の毒です。

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