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「シェルター」

No.1390

8月29日、アメリカ・イギリス・カナダ映画「シェルター」をローソン・ユナイテッドシネマ小倉で観ました。リアルな銃撃戦や近接格闘がじつに迫力満点でした。少女役のボディ・レイ・ブレスナックも可憐で、アクション・エンターテインメントとしてなかなか良くできていました。

ヤフーの「解説」には、「『ワーキングマン』などのジェイソン・ステイサムが主演を務めたスパイアクション。イギリス政府の抹殺リストに登録された元特殊部隊員と、家族を亡くした少女が繰り広げる逃亡劇を描く。監督は『グリーンランド ‐地球最後の2日間‐』などのリック・ローマン・ウォー。共演には『ハムネット』などのボディ・レイ・ブレスナック、『生きる LIVING』などのビル・ナイ、『ミッキー17』などのナオミ・アッキーのほか、ハリエット・ウォルター、ダニエル・メイズらがそろう」とあります。

ヤフーの「あらすじ」は、「スコットランド沖の孤島で、愛犬と共にひっそりと暮らすマイケル・メイソン(ジェイソン・ステイサム)。ある日、週に一度生活物資を届けに来る少女・ジェシー(ボディ・レイ・ブレスナック)とその叔父が嵐に巻き込まれ、マイケルは彼女を救出する。家族を亡くしたジェシーと彼が徐々に心を通わせていく中、彼は突如MI6に襲撃される。かつてイギリス政府の特殊部隊員だったマイケルは、元MI6長官マナフォート(ビル・ナイ)の恨みを買い国家の抹殺リストに登録されていた。ジェシーを守るため、彼は決着をつけようとする」となっています。

ジェイソン・ステイサムは1967年、ロンドン出身。俳優になる前は水泳飛び込みのイギリス代表選手として活躍、1992年の世界大会で12位となりました。その後、モデルとしてリーバイスなどの広告に登場。ガイ・リッチー初監督作「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」(1998年)で映画デビューし、続く「スナッチ」(2000年)で主演を務める。リュック・ベッソン製作・脚本の「トランスポーター」(2002年)でアクションスターとして注目を集め、続編2作にも主演。その後も「アドレナリン」(2006年)シリーズ、「メカニック」(2011年)シリーズなど数多のアクション映画に主演。大ヒット作「エクスペンダブルズ」(2010年)シリーズには第1作から、「ワイルド・スピード」シリーズには第6作「EURO MISSION」(2013年)から出演しています。

今や国際的アクションスターの大御所であるステイサムですが、最新作「シェルター」では冒頭からいきなり彼の魅力が炸裂します。孤島の灯台で暮らすメイソンに一度生活物資を届けに来る船が嵐に巻き込まれます。かつてイギリス政府の特殊部隊でメイソン同僚だった叔父は命を失い、姪のジェシーという少女だけが助かります。ボディ・レイ・ブレスナックが演じるジェシーを救うために、荒れ狂う海に飛び込むメイソン。その雄姿は、さすが水泳飛び込みのイギリス代表選手として活躍したステイサムだけのことはありました。それにしても、必死で誰かを救おうとしているときのステイサムの表情はカッコいいですね!

その後、唯一の家族を亡くしたジェシーは、メイソンと一緒に灯台で暮らしますが、MI6に襲撃された後は、居場所を転々とします。自分と一緒にいると危険なため、メイソンはジェイソンを他人に預けようとしますが、ジェシーはメイソンと一緒にいたいと願います。ともに天涯孤独の身となったメイソンとジェシーは疑似父娘のような関係になっていたのでした。元殺し屋で不愛想みわまりないメイソンもジェシーには次第に心を許していきます。そして、「ジェシーは俺が守る」と誓うのですが、この気持ちは2人の娘がいるわたしには痛いほどよく理解できました。

ジェシーを演じたボディ・レイ・ブレスナックは端正な顔をした美少女でしたが、わたしは1994年のアメリカ・フランス合作「レオン」に出演したナタリー・ポートマンを連想しました。同作は、リュック・ベッソンが初めてアメリカで製作したバイオレンス・アクションです。ニューヨークを舞台に、凄腕の殺し屋レオン(ジャン・レノ)と12歳の少女マチルダ(ナタリー・ポートマン)の純愛と戦いを描いた作品です。大都会の片隅で出会った孤独な2人の葛藤と壮絶なアクション・シーンがほどよくブレンドされています。朴訥だが頼もしいレノと繊細でいてたくましいポートマンの2人の魅力が詰まった作品です。

「シェルター」では、元MI6長官の悪役マナフォートをビル・ナイが演じていました。ナイが演じるマナフォートは、メイソンのかつての上司です。自らの命令に背いたメイソンへの腹いせに、国家権力を利用して彼を抹殺リストに載せます。冷酷な悪役を引き受けた理由について、ナイは「ジェイソン・ステイサムのファンだし、アクション映画もよく観る。アクションとジェイソンが好きだから引き受けた」と語っています。彼はファッションにこだわりがあり、インタビュー時に着用していたスーツについても、「特別に仕立ててもらった。P.Johnsonという素晴らしいブランドで、私服としても愛用するほど気に入っている」と語り、さらには自身が信頼するテーラーについても詳しく紹介し始めたそうです。オシャレな人ですね!

ビル・ナイは、わたしのお気に入りの俳優の1人です。多くの出演作の中でも、一条真也の映画館「生きる LIVING」で紹介した2023年のイギリス映画で主人公を演じた印象が強いです。黒澤明監督による「生きる」を、ノーベル賞作家カズオ・イシグロの脚本でリメイクした作品です。1953年、第2次世界大戦後のイギリス・ロンドン。役所の市民課に勤めるウィリアムズ(ビル・ナイ)は、毎日同じことを繰り返し、仕事に追われる自分の人生にむなしさを感じていました。ある日、医師からがんで余命半年であることを告げられます。最期が近いことを知った彼はこれまでの味気ない人生を見つめ直し、残された日々を大切に過ごして充実した人生にしたいと決意します。やがて、彼の変化は無関心だった周囲の人々をも変えていくのでした。

ビル・ナイのような老人になりたい!

ビル・ナイのような老人になりたい!

 

「生きる LIVING」のウィリアムズは、感情を押し殺した英国紳士として、礼儀正しく行動します。服装もオシャレです。「生きる LIVING」を鑑賞したとき、わたしは60歳の還暦を迎える直前でした。ビル・ナイの老成した佇まいに憧れました。話を「シェルター」に戻すと、この日はシネコンで3番目に大きいシアターで鑑賞しましたが、屈強な高齢男性でほぼ満員だったことに驚きました。一条真也の映画館「ワーキングマン」で紹介した今年公開のアメリカ映画を同劇場で鑑賞したときも同様の現象を体験しましたが、もしかしてジェイソン・ステイサムは小倉のオールド・ワーキングメンに人気があるのでしょうか? わたしはステイサムのようなタフガイにはなれませんが、せめてビル・ナイのような「小洒落爺」を目指して生きていきたいと思います。

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