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「顔 -かお-」

No.1402

金沢に来ています。15日の夜、韓国映画「顔 -かお-」をユナイテッドシネマ金沢で観ました。わが社の新しい北陸版シネアドの確認をかねて同劇場を訪問したのですが、一条真也の映画館「ヒンド・ラジャブの声」で紹介したチュニジア・フランス合作映画に続き、連日の超ヘビーな内容でした。

ヤフーの「解説」には、こう書かれています。
「『新感染 ファイナル・エクスプレス』などのヨン・サンホ監督が、自身のグラフィックノベルを映画化したサスペンスミステリー。目が見えないながらも韓国随一の篆刻家となった父をサポートする主人公が、40年前に消息を絶った母親にまつわる意外な真実にたどり着く。主人公とその父を、ヨン・サンホ監督によるドラマシリーズ『地獄が呼んでいる』などのパク・ジョンミンと『新感染半島 ファイナル・ステージ』などのクォン・ヘヒョが演じる」

ヤフーの「あらすじ」は、以下の通りです。
「イム・ヨンギュ(クォン・ヘヒョ)は生まれつき目の見えないハンディキャップを克服し、韓国で著名な篆刻家となる。ある日、ヨンギュの事業を支える息子のドンファン(パク・ジョンミン)のもとに、40年前に消息不明になった彼の母チョン・ヨンヒの遺体が見つかったとの知らせが届く。何者かに殺害された可能性があると知ったドンファンは調査を進め、衝撃の真実を知る」

本作「顔 -かお-」を観て、わたしは怒りを感じました。前日に「ヒンド・ラジャブの声」を観たときも怒りを感じたので2日連続です。原題は”THE UGLY”で、「醜い」という意味ですが、本作には顔の醜い女性が登場します。彼女は「化け物みたいな顔」と職場で罵られ、便意を訴えているのにトイレにも行かせてもらえず、結果的に漏らしてしまった後は「便所紙」という仇名をつけられます。まるで小学生のいじめのような信じられない状態が日常化しているのは、ひとえにこの職場である工場の社長が人間のクズだからです。わたしは企業とは経営者の気が社員に乗り移る一個の生命体としての「気業」であると唱えていますが、まさに本作の舞台となる工場はクズ社長の邪気を反映していました。わたしは「本当に醜いのは、この社長だ!」と思いました。

容姿の優れない女性だけではなく、本作には目の不自由な男性も登場します。彼は生まれたときから目が見えず、それゆえに過酷ないじめに遭ってきました。2人は結婚して男の子をもうけるのですが、社会の片隅でひっそりと、本当にひっそりと生きていきます。そんなささやかな幸せさえも彼らには許されず、想像を絶する悲劇が待っているのでした。わたしは鑑賞しながら、「ここまで身体障害者を悲惨に描く必要があるのか?」「韓国は儒教国のはずだが、仁という思いやりの心はどこに行ったのか?」「現在、韓国では美容整形が全盛だというが、40年前からルッキズムの国なのか?」などと思いました。わたしは「ヒンド・ラジャブの声」では平和を想いましたが、本作では平等を想いました。なぜ、人間は顔の美醜や目の不自由などで差別されなければいけないのでしょうか? これほどの不条理が他にあるでしょうか?

わたしは「死は最大の平等である」という信条を持っています。太陽はあらゆる地上の存在に対して平等です。太陽光線は美人の顔にも降り注げば、犬の糞をも照らすのです。わが社の社名は、「サンレー」ですが、万人に対して平等に冠婚葬祭を提供させていただきたいという願いを込めて、「太陽光線(SUNRAY)」の意味を持っています。「死」も平等です。「生」は平等ではありません。生まれつき健康な人、ハンディキャップを持つ人、裕福な人、貧しい人・・・「生」は差別に満ち満ちています。しかし、どんな人にでも、「死」だけは平等に訪れるのです。しかし、本作には40年前に亡くなった母親の葬儀シーンがありましたが、そこには遺影がありませんでした。写真立ての中は空白だったのです。それを見たとき、「亡くなってからも差別されるとは!」と重い気分になりました。ちなみに、遺影とはその人の顔の肯定であり、印章とはその人の名前の肯定に通じるのではないかと、ふと思いました。

本作で主演を務めたパク・ジョンミンは素晴らしかったです。若き日の父と息子を一人二役で見事に演じ分け、その高い演技力で第62回百想芸術大賞の主演男優賞を受賞しました。彼はシリアスからコミカルな役どころまで変幻自在に演じ、韓国映画界では「次世代の演技の神」と言われているそうです。1987年3月24日生まれのジョンミンは高麗大学に進学するが自主退学して、韓国芸術総合学校映像院映画科へ。さらに演技科に転科し、劇団活動などを経て俳優の道へと踏み出しました。2011年、「狩りの時間」(2020年)で知られるユン・ソンヒョン監督の「BLEAK NIGHT 番人」(2010年)で長編映画デビューを果たし、以後、映画、ドラマ、舞台などで着実にキャリアを重ねていきます。 スポットライトを浴び始めたのは、2015年にイ・ジュニク監督の「空と風と星の詩人 尹東柱の生涯」(2016年)に出演してからです。

「空と風と星の詩人 尹東柱の生涯」は、韓国の国民的詩人・尹東柱(ユンドンジュ)と、彼に大きな影響を与えた独立運動家の宋夢奎(ソンモンギュ)との青春を描いた作品で、ジョンミンは宋夢奎役を務めました。この役は彼にとっても大役であり、実在の人物を演じるうえでもかなりプレッシャーがあったとのちに述懐しています。特に収監中の宋夢奎が面会に来た父親と顔を合わせるシーンでは、1か月で約12kgも体重を落とし、撮影3日前からは水もいっさい飲まずに臨んだといいます。そうして生まれた真に迫る感情演技は高く評価され、青龍映画賞をはじめ多くの新人賞を独占しました。映画「顔 -かお-」はとても辛い作品でしたが、主演のパク・ジョンミンの演技には輝きのようなものを感じました。これからも注目したい俳優です!

最後に、ユナイテッドシネマ金沢の2番シアターでサンレー北陸CM「ありがとう」篇(60周年記念バージョン)が流れてたのを観たときは感動しました。ちょうど、スクリーンに映っているサンレー北陸の幹部たちが一緒だったので、喜びもひとしおでした。わが社は、平器産業である冠婚葬祭業を通じて、「平和」と「平等」の実現を目指して前進し続けていきたいと思います!

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