HOME

「プリミティヴ・ウォー 恐竜戦争」

No.1373

オーストラリア映画「プリミティヴ・ウォー  恐竜戦争」をユナイテッドシネマなかま16で観ました。ベトナム戦争に恐竜が参戦するという馬鹿馬鹿しい設定を最初は甘く見ていましたが、どうしてどうして、なかなかの傑作でした。これぞエンタメ! 悩みや嫌なことも吹っ飛びます! 

ヤフーの「解説」には、こう書かれています。
「アメリカ軍の兵士たちと恐竜の群れがバトルを繰り広げるアクション。ベトナム戦争中にジャングルで消息を断った特殊部隊を捜索する小隊が、ティラノサウルスやトリケラトプス、ケツァルコアトルスといった恐竜の大群と出くわす。メガホンを取るのは『インベイド』などのルーク・スパーク。『セクション8:リベンジ・ミッション』などのライアン・クワンテン、『スキャンダル』などのトリシア・ヘルファー、ドラマシリーズ『リベンジ』などのニック・ウェクスラーのほか、ジェレミー・ピヴェンらが出演する」

ヤフーの「あらすじ」は、以下の通りです。
「ベトナム戦争中の1968年。ジャングルでの特殊任務に就いていたアメリカ軍特殊部隊グリーンベレーの精鋭『毒ヘビ部隊』が消息を絶ち、その捜索を『ハゲワシ小隊』が受け持つ。ジャングルを進むハゲワシ小隊だったが、彼らの前にティラノサウルスやトリケラトプス、ケツァルコアトルスといった絶滅したはずの恐竜が現れる」

公式HPによれば、本作が2025年の夏に海外で公開されるやいなや「これを待っていたんだ!」「本当に観たかったのはこれだ!」と歓喜の声が噴出、瞬く間に全世界20ヵ国以上に広がったそうです。「その興奮は日本にもリアルタイムで到達、もはや上陸を待ちわびるその声は悲鳴ともなっていた」と書かれていますが、ほんまかいな? わたし自身は「ベトナム戦争に恐竜が参戦する」という設定に限りないB級感をおぼえましたし、オーストラリア映画と知って「アメリカ映画と比べたら見劣りするに違いない」と思っていたのですが、「地獄の黙示録」(1979年)、「ジュラシック・パーク」(1993年)、「ランボー/怒りの脱出」(1985年)、「エイリアン2」(1986年)といったハリウッド超大作の数々を彷彿とさせるスーパー・エンターテインメントになっていました。

「どうせB級だろう」「オーストラリア映画だからチャチだろう」と思っていたわたしですが、登場する恐竜の造形が「ジュラシック・パーク」シリーズ並みだったので驚きました。同シリーズをはじめ、ティラノサウルス、トリケラトプス、ケツァルコアトルス、コリトサウルス・・・・・・どれもリアリティ満点です。なんでも、登場する恐竜の種と絶対数は映画史上過去最大規模だとか。公式HPには、「これまで生命尊重、動物愛護の精神をもとに必ず“いい話”に落ち着いてきた映画における恐竜と人間の関係性が、ついに本気の恐竜vs人間の死闘という妥協なき全面戦争となって日本のスクリーンを直撃する」と書かれています。実際、戦闘シーンはものすごい迫力でした。

オーストラリア気鋭の監督ルーク・スパークは、これまで怪物や地球外生命体を描いてきました。万を期して本作の企画をハリウッドに持ち込むも「君はスピルバーグじゃないんだから恐竜を描くことはできない」とけんもほろろにあしらわれたそうです。この苦い経験を胸に秘め、スパークは一人で監督・脚本・製作・編集・美術を担当、アイデアと技術を結集、VFX全開、圧倒的熱量で「映画史上最も容赦ない恐竜映画」を作ることを目指しました。もちろん製作費は「ジュラシック・パーク」シリーズとは比較にならない低予算ですが、人件費を切り詰めて、豪州初大恐竜映画を作り上げたのです。恐竜だけではありません。元米海兵隊軍人がミリタリー・アドバイザーとして参加、脚本段階では「プラトーン」(1986年)、「プライベート・ライアン」(1998年)のデイル・ダイが監修するなど戦争映画としてもこだわっています。

そんなルーク・スパーク監督は、ブログ「ゴジラ-1.0」で紹介した怪獣映画の大傑作のメガホンを取った山崎貴監督と対談しています。本作を鑑賞した山崎監督は、まず「恐竜が怖くてよかった」と述べ、「やっぱり恐竜って、本当に目の当たりにすると恐ろしいもの。野生動物として描かれていた恐竜が次々と襲ってくるので、とても楽しめました」と感想を述べました。これを聞いたスパーク監督は、「それがまさに、この映画を作りたかった理由です」と反応し、「1つは、恐竜を怖い存在として描きたいということ。そして、その恐竜をベトナム戦争という極限の恐怖と融合させることでした」と作品の狙いを説明しました。さらにスパーク監督は、「あなたの『ゴジラ-1.0』は私にとって本当に芸術です。そんなあなたに私の映画を観ていただけたことは本当に光栄です」 と敬意を表しています。

わたしは子どもの頃から恐竜が大好きなので、本作を観て大きなカタルシスを得ました。最初は「なんで、1960年代のベトナムに恐竜がいるんだ?」と設定の甘さを疑ったのですが、ソ連の女性生物学者の説明で、「ソ連から戦車をベトナムに運び込むために時空に穴を開けたため、恐竜の時代と繋がってしまった」と知りました。なんだかわかったような、わからないような説明ではありますが、最低限の理由は必要ですね。そういえば、その女性学者は「わたし失敗しませんから」が口癖でした。それを聴いて「お前は大門未知子か?」と言いたくなったのは、わたしだけではありますまい。今月14日からは、アン・ハサウェイ主演のSFアドベンチャー映画「オークストリートの異変」が公開されますが、同作でも恐竜が登場するようで楽しみです!

HOME
Copyright © 2017 - 2022 Shinya Ichijyo’s Movie Theater All right reserved.