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話題の映画「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」を観ました。いま、『知ってびっくり!世界の神々』(PHP)という監修書の校正をやっている最中です。『葬式は必要!』を書き上げたので、映画を観てギリシャ神話のモードに突入したいと思ったのです。
そこで早速、自宅から5分で行けるチャチャタウン小倉にある「シネプレックス小倉」に行って鑑賞しました。じつは北九州市は、日本で最も人口1人当たりの映画館数が多いそうで、映画好きには最高の環境なんですよ。
自宅の近くだけでも、チャチャタウン小倉をはじめ、リバーウォーク北九州、コロナワールドなど大規模商業施設の中にシネマ・コンプレックスがずらりと揃っています。
さて、「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」は、なかなか面白かったです。「ハリー・ポッター」シリーズの第1作&第2作のクリス・コロンバス監督が手がけただけあって、全体の雰囲気が「ハリー・ポッター」によく似ていました。
主人公と男女1人づつの親友のトリオが力を合わせて、数々の危機を乗り越えて活躍するのですが、そのキャラクター設定もそっくりでしたね。
また、ハリー・ポッターが通う「ホグワーツ魔法魔術学校」は、魔法使いと人間のハーフのための学校でしたが、パーシー・ジャクソンは半神半人のための「ハーフ訓練所」に通うところまで同じです。これは、もう「ハリー・ポッター」の原作者であるJ・K・ローリング公認のファンタジー作品なのでしょうか。
リック・オーダンの原作は、「ニューヨーク・タイムズ」の児童書部門で全米セールス1位を獲得し、130週以上にわたってベストセラーにランクインしているそうです。
おそらく、原作者のオーダン自身が、「ギリシャ神話×ハリー・ポッター」という構想をもって書いたのではないかと思います。「パーシー・ジャクソン」シリーズは全5巻だというので、これから続編も映画化されるのでしょうね。
この映画は、「ハリー・ポッター」「ロード・オブ・ザ・リング」「ナルニア国物語」などの一連のファンタジー超大作の流れを汲んでいるようですが、もともと神話こそはファンタジーの祖先です。ここにきて、ファンタジーも先祖帰りをしたのかもしれませんね。
なんだか、「オペラ座の怪人」を連想しました。
オペラという芸術形式からミュージカルが誕生したわけですが、「オペラ座の怪人」はミュージカルのスタイルで先祖であるオペラの魅力を伝えているわけです。
それと同じで、「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」は、ファンタジーのスタイルで先祖である神話の魅力を伝えているわけです。
ショーン・ビーン演じるゼウスとか、ユマ・サーマンのメデューサなど、配役もイメージが合っていて良かったです。
メデューサといえば、映画の中ではポセイドンの息子であるパーシー、アテナの娘である美少女アナベスとの絡みが見所です。
ちょうど、いま校正中の『3分間雑学 世界の神様』には次のような記述が出てきます。
「正妻を持つポセイドンですが、ゼウスと血を分けた彼もまた女好きでした。あるとき、美しい娘メデューサと恋に落ちたポセイドンは、アテナの神殿で交わります。しかし、これを知ったアテナが激怒し、メデューサを醜い怪物に変えてしまいました。蛇の髪を持つ怪物メデューサは、ポセイドンの軽率な行動から誕生したのです。」
映画に出てくるメデューサ、ポセイドン、アテナには浅からぬ因縁があったのです。
やはり、ギリシャ神話の内容がよくわかっていると、映画も楽しめますね。
あと、人間の世界で松葉杖や車椅子を使っている足の不自由な人々の正体が、じつはサテュロスやケンタウロスだったいうのも素敵な設定だと思いました。
映画のパンフレットと本のゲラ
それから、わたしが監修した『「天国」と「地獄」がよくわかる本』(PHP文庫)や『よくわかる伝説の「聖地・幻想世界」事典』(廣済堂文庫)などで紹介した神々の楽園オリンポスやハデスが支配する冥界が見事に映像化されていて、嬉しかったです。
4月には、映画「タイタンの戦い」のリメイク版も公開されるとのこと。
ちょっとしたギリシャ神話ブームが起こるかもしれませんね。これから大ブームが起こって、5月に刊行予定の『知ってびっくり!世界の神々』が売れてくれるといいのですが。