映画「TRICK劇場版3 霊能力者バトルロイヤル」を観ました。
 仲間由紀恵が演じる貧乏で貧乳の売れないマジシャンと、阿部寛が演じる小心で巨根の物理学者が、一緒に超能力者や霊能力者のトリックを暴く人気シリーズです。

 わたしは、このシリーズが大好きで、TVドラマも劇場版もすべてDVDを買いました。
 ファースト・シリーズが怪しくて一番好きでした。
 でも、どれも、それなりにアクの強いエンターテインメントとして楽しめます。
 今回の「劇場版3」に関しては、松平健をはじめ、戸田恵子、片瀬那奈、藤木直人といった豪華ゲストたちが、それぞれに霊能力者を演じます。中でも、戸田恵子扮する天海が率いる「ペイズリー教団」というのが最高で、抜群の存在感を示していました。
 また、「暴れん坊将軍」のごとく白馬に乗るなど、松平健がらみのパロディがふんだんにあったのに比べ、わたしの好きな片瀬那奈に変な女の役をさせた上に、例の「ようこそ、ジョージアへ」のパロディをやらせなかったのは非常に不満でしたねぇ。(笑)

 いずれにしても、いつもながらに虚構だらけの世界を描いた映画です。
 オープニングで、伝説のマジシャンであるハリー・フーディーニが登場し、インチキ霊能力者たちを暴いていく場面が出てきます。霊能力とマジックは相容れないように思われがちですが、わたしにとっては二つとも興味を引かれるジャンルです。
 マジックにおけるトリックを題材とした映画には「プレステージ」という名作があります。

 でも、霊能力マジックを描いた映画といえば、「幻影師アイゼンハイム」でしょう。
 原題は、「The Illusionist」です。
 19世紀末のウィーンの妖しいムードが良く描けていました。
 また、なんといっても心霊ショーの描写が素晴らしかったです。

 さて、「フェイク」という言葉をご存知でしょうか。ニセモノという意味ですが、この言葉がよく使われるジャンルが2つあります。オカルトと格闘技です。
 「トリック」を観てもわかるように、超能力者とか霊能力者というのはフェイクだらけ。
 わたしも、以前よくその類の人々に会った経験がありますが、はっきり言ってインチキばかり。あのユリ・ゲラーやサイババも限りなくダークです。でも、スウェデンボルグとか出口王仁三郎といった霊的巨人は本物であったと私は思います。
 わたしが実際に会った人物では、スプーン曲げの清田益章氏やサラリーマン時代の会社の先輩であるタカツカヒカル氏のヒーリング・パワーは今でも本物じゃないかと思っています。ですから、すべてがフェイクではなく、本当にごく少数ですが、なかには本物の能力者もいるのでしょう。


 次に格闘技。わたしは子どものころから格闘エンターテインメントとしてのプロレスをこよなく愛し、猪木信者、つまりアントニオ猪木の熱狂的なファンでした。
 でも、何千という猪木の試合のなかで、いわゆるセメント(真剣勝負)はかのモハメッド・アリ戦とパキスタンの英雄、アクラム・ペールワン戦の2回だけと言われています。
 だから良いとか悪いとかではなく、それがプロレスなのです。
 でも、わたしは逆にその2回に限りないロマンを抱きます。
 また、力道山vs木村政彦、前田日明vsアンドレ・ザ・ジャイアント、小川直也vs橋本真也といった試合は一方の掟破りでセメントになったとされ、今では伝説化しています。
 やはりフェイクだらけの中にある少しの本物に魅せられる。
 オカルトも格闘技もフェイクという大海のなかにリアルという小島があるわけです。
 それらの世界に魅せられる人々は、小島をさがして大海を漂う小舟のようですね。
 ところで、「バトルロイヤル」というのはプロレスの言葉です。
 「霊能力者」も「バトルロイヤル」も、胡散臭さがプンプン漂う「フェイク」の記号であり、それが二重に重なったわけですね。


 ついでに言えば、スナック、クラブ、キャバクラなどの水商売も同じです。
 水商売の女性との心の交流は、はっきり言って、擬似恋愛であり、ホステスが演技をして恋人ごっこをしてくれるわけですが、時々、ホステスさんが本気で客と恋愛することがあります。この数少ないロマンを求めて、男たちは懲りもせず飲みに出かけるのですな。
 つまり、「オカルト・プロレス・水商売」はオールフェイクではないのです!
 それらのジャンルは限りなく胡散臭くて、基本的にウソで固めています。
 しかしながら、中には紛れもない「リアル」が隠れている。
 霊能力者もプロレスラーもホステスも、中にはガチンコの本物が実在する。
 オカルトもプロレスも水商売も「リアルさがし」のゲームであり、冒険の旅であると考えるのら、「ダマサレタ!」と腹も立たないのではないでしょうか。

  • 販売元:東宝
  • 発売日:2010/11/26
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