No.0028
DVDで日本映画「おと・な・り」を観ました。
本当は昨年劇場公開されたときに観たかったのですが、うまくタイミングが合わなかったのです。その後、DVDを早々に購入していたのですが、やっと観れました。
じつは明後日、東京で「隣人祭り」についての講演をします。それで、何かのヒントがないかなと思って観たのですが、想像以上に心温まる名作でした。
人の世の「縁」というものの不思議さ、そして素晴らしさを痛感します。
「隣人」をテーマにしている映画を、わたしは「隣人映画」と呼んでいます。
たいていの隣人映画はホラーかサスペンスが多く、ヒューマンな作品は少ないですが。
でも昨年、洋の東西は違えど、ヒューマンな隣人映画が同時期に公開されました。
クリント・イーストウッドの「グラン・トリノ」と、この「おとなり」です。
「グラン・トリノ」が洋画における隣人映画の名作なら、「おと・な・り」は邦画における隣人映画の秀作と言えるでしょう。
V6の岡田准一と麻生久美子の主演ですが、二人とも30歳という年齢の男女の中途半端さのようなものを良く表現していたと思います。
わたしは俳優としての岡田准一のファンで、黒木瞳と共演した「TOKYO TOWER」の彼の演技には惚れ込みました。
さて、「おと・な・り」のストーリーですが、同じアパートの隣室に住む二人は一度も顔を合わせたことがありません。でも、お互いが生活の中で発する音を聞いて、お互いの存在を確認し、安心するのです。
そう、「おと・な・り」というタイトルには、「お隣り」と「音鳴り」の二つの意味があるのです。 つまり、ダブル・ミーイングですね。
二人にはアパートの隣人同士という「地縁」の他にもう一つ意外な「縁」がありました。
これ以上はネタバレになってしまうので控えますが、なかなか素敵なハートフル・ストーリーでした。興味のある方は、ぜひDVDで御覧下さい。
「おと・な・り」のDVD