No.0067
「シャーロック・ホームズ シャドウゲーム」を観ました。
ブログ「シャーロック・ホームズ」で紹介した映画の続編です。
今回も、シャーロック・ホームズにロバート・ダウニー・Jr、ジョン・ワトソンにジュード・ロウが扮しています。このコンビに謎の女占い師シムが加わり、オーストリア皇太子が自殺した事件を裏で操る最強の敵であるモリアーティ教授との死闘を繰り広げます。
「ミレニアム」シリーズのスウェーデン出身の女優ノオミ・ラパスがシムを演じていますが、これはあまり適役だとは思いませんでした。
もっと妖艶な美女がふさわしかったのではないでしょうか。
監督は、前作に続いて「スナッチ」のガイ・リッチーです。
敵役のモリアーティ教授は、テレビドラマ「MAD MEN マッドメン」シリーズのジャレッド・ハリスが演じます。これは、はまり役でした。
「ネタバレ」になるので、詳しいストーリーを綴るのは控えます。
ただ、この作品を魅力は2つあると思いました。
1つは、ホームズとワトソンがヨーロッパ中を股にかけて活躍すること。
2人が敵を追ってフランスからドイツ、そしてスイスへと移動するさまは観光映画のようで、わたしの大好きな「八十日間世界一周」を連想させます。
特に20世紀初頭のパリを魅力的たっぷりに描いています。
ブログ「ヒューゴの不思議な発明」で紹介した映画に通じる部分がありました。
オペラ座なども、かの「オペラ座の怪人」以来の重要な舞台に設定されており、オペラ座ファンのわたしを喜ばせてくれました。
もう1つの魅力は、ホームズとワトソンの親密ぶりです。
それは、もうホモセクシャルな関係を観客に強くイメージさせるほどです。
ホームズは、愛するワトソンが結婚すると知ります。ワトソンを結婚式場に送り届けるのですが、そのときのホームズは切ない表情をしています。また、ワトソン夫妻の新婚旅行に同行し、そのために夫妻が危険にさらされてしまいます。それを危機一髪で救助したホームズは、「僕がいなくちゃダメなのよ!」と得意満面で言い放つのでした。
もともとコナン・ドイルの原作自体が同性愛の物語との指摘を受けています。
でも、それはあくまで一部のマニアの間で囁かれていたこと。映画化された作品でここまでホモセクシャルな印象を与えるものも前代未聞ではないでしょうか。
前作同様に、アクション・シーンは迫力がありました。
柔道をたしなむホームズとボクシングの使い手であるモリアーティの格闘シーンは、かの柔道家と拳闘家の異種格闘技戦である「柔拳」を彷彿とさせました。
派手なアクション・シーンによって新しいホームズ映画を創造したことは認めますが、そのぶん本来の「謎解き」の要素が弱くなったようにも思います。ミステリー映画の醍醐味は、あくまでも「謎解き」にあると信じるわたしにとって、その点が残念でした。
最後に「シャドウゲーム」というキーワードからオカルト色が濃いことを期待していたのですが、それはわたしの誤解でした。この映画には、オカルト色はありませんでした。
むしろ、前作のほうがオカルト的要素が強かったですね。