No.0070
映画「タイタンの逆襲」を観ました。
ブログ「タイタンの戦い」で紹介した映画の続編です。
前作があまり評判が良くなかったそうなので、続編が作られることはないかと思っていました。この作品の出来も微妙なところですが、前作同様に3Dとなっています。
ファンタジー・アクション大作「タイタンの逆襲」には、前作に出演のサム・ワーシントン、リーアム・ニーソン、レイフ・ファインズらが再集結しています。
今回は、長年地上を治めてきた神々三兄弟の残忍な父、クロノス率いるタイタン族との世界の存亡をかけた激しい戦いを描いています。
主人公は、前作と同じく、ペルセウス(サム・ワーシントン)です。
彼は、神々の王ゼウス(リーアム・ニーソン)と人間の母の間に誕生した半神半人です。
ペルセウスが魔物クラーケンを倒してから10年が経過し、彼は男手一つで息子を育てていました。そんな折、神々とタイタン族の地上の支配権をめぐる戦いは日ごとに激しさを増していきました。ペルセウスは、冥界の王ハデス(レイフ・ファインズ)の父ゼウスへの裏切りを知り、敢然とタイタン族に戦いを挑みます。
「世界侵略:ロサンゼルス決戦」のジョナサン・リーベスマンが監督を務めています。
また、「007/ダイ・アナザー・デイ」のヒロインであるロザムンド・パイクが女王アンドロメダを演じています。彼女の美しさは、わたしの大好きなダイアン・クルーガーにも通じるものがあります。どちらも金髪のクール・ビューティーですが、アルフレッド・ヒッチコックが生きていたらきっと気に入っていたでしょう。「ヒッチコック・ブロンド」という言葉があるぐらい、グレース・ケリー、キム・ノバク、ティッピ・ヘドレンといった錚々たる金髪のクール・ビューティーたちを彼が溺愛してきたことは有名ですね。
まあ、この映画はストーリーというよりも大迫力のアクション・シーンに尽きるでしょう。
前作にはクラーケンという巨大モンスターが登場しましたが、今回もキメラやサイクロプスやクロノスという巨大モンスターが出てきます。ミノタウロスや、マカイも大いに暴れ回ります。そして、ペルセウスとアレスの兄弟対決も凄絶な闘いとして描かれています。 ただ、ペルセウスがスリーパーホールドで攻めたり、アレスがなんとブレーンバスターを繰り出したり、やたらとプロレス技が連発されていました。
もしかして、戦闘シーンの殺陣の担当者がプロレス・マニアだったのでしょうか?
人間くさい神々の真実の姿を描く!
この映画を観て興味深く思ったのは、神々が人の祈りをエネルギーにしているという設定でした。人々が神に対して祈らなくなると、神の力が弱まるというのです。
この神々が人間の存在を必要としているというアイデアは新鮮でした。
『知ってびっくり!世界の神々』(PHP)にも書きましたが、もともと、わたしは「人間とは神々を必要とする動物である」と訴えてきました。
なぜなら、多神教の神々にふれると人間の魂は奥底から癒されるからです。
そう主張したのは、ユング派「元型心理学」の創始者として知られるアメリカの心理学者ジェームズ・ヒルマンです。彼は、人間の魂は多くの機能を持っており、それぞれが必要とする神々がいると主張しました。オリュンポス12神にしろ、八百万の神々にしろ、多神教の神々は、それぞれの魂の元型が求める役割を演じてくれるわけですね。
ヒルマンは、人間の魂はもともと一神教には馴染まないとし、「魂の自然的多神教」という言葉さえ使っています。たしかに、浮気がやめられなかったり嫉妬深かったりする神々を知ると、なんとなく安心してしまいますね。