No.0235
18日、観たくてたまらなかった映画が公開され、早速観賞しました。
日本映画「貞子vs伽椰子」です。三度の飯よりホラー映画が好きなわたしにとって、もう夢のような企画です。この企画を最初に知ったときは、ぶっ飛びました。そのインパクトといったら、ブログ「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」で紹介した映画どころではありません。
強いて言えば、「エイリアンvsプレデター」や「ジェイソンvsフレディ」のもつ馬鹿馬鹿しさ、もとい衝撃度に似ていると言えるでしょうか?
ヤフー映画の「解説」には、「世界でも評価の高いJホラーの2大キャラクター、『リング』シリーズの貞子と『呪怨』シリーズの伽椰子の対決を描くホラー。貞子と伽椰子、さらには『呪怨』シリーズの俊雄も絡み、恐怖のキャラクターたちによる衝突を活写する。主演は、『東京PRウーマン』などの山本美月。監督には『戦慄怪奇ファイル』シリーズや『ボクソール★ライドショー~恐怖の廃校脱出!~』などの白石晃士。Jホラー界を代表するキャラクターたちの対決の行く末に期待」と書かれています。
また、ヤフー映画の「あらすじ」には、「女子大生の有里(山本美月)は、あるビデオを再生する。それは、観た者に貞子から電話がかかってきて、2日後に死ぬという『呪いの動画』だった。一方、女子高生の鈴花(玉城ティナ)は引っ越し先の向かいにある『呪いの家』に入ってしまう。霊媒師の経蔵(安藤政信)は二つの呪いを解くために、呪いの動画の貞子と呪いの家に居る伽椰子を激突させようとするが・・・・・・」と書かれています。
正直言って、わたしはこの企画について「すげえな」「面白いな」と思う反面、危惧もしていました。というのは、原点としての「リング」や「呪怨」に味噌をつけるというか、両作品の怖さを削ぐ結果になるのではないかと思ったのです。また、映画公開に先立って流されたCMや政見放送や野球の始球式などもすべてコメディ調で、「やっぱり・・・」と嫌な予感を抱かせるものでした。政権放送もふざけ過ぎですが、始球式もやるべきではなかった!
最近もW不倫騒動の渦中にあったファンキー加藤が始球式を行い、マウンド上から観客に謝罪するという前代未聞の事態がありましたが、なんでもかんでも始球式で宣伝をすればいいというものではない!(怒)
ところが、実際に観賞した「貞子vs伽椰子」は意外にイケていました。
Jホラーを代表する「リング」と「呪怨」の2つの世界観をどう絡ませるのかと注目していましたが、シナリオが見事で、見事に両作品のコラボに成功していました。ネタバレにならないように詳しいストーリーを書くのは控えますが、しっかりと観客を怖がらせてくれる作品に仕上がっていました。
主演女優の2人、女子大生・有里を演じた山本美月と、女子高生・鈴花を演じた玉城ティナも良かったです。山本美月はブログ「ボクは坊さん。」で紹介した作品以来で久々に観ましたが、前より演技が上達していますね。玉城ティナは初めて観ましたが、目が大きくて不思議な魅力を持った子でした。
恐怖に絶叫する2人の「ホラー・クイーン」ぶりも良かったです。
それから、霊能者の経蔵、玉緒のキャラクターが秀逸でした。特に、赤い服に身を包んだ盲目の少女・玉緒が素晴らしい。ブログ「赤い影」で紹介したホラー映画の名作に出てくる登場人物を連想させる斬新なキャラです。これは予告編にも登場しますが、「バケモンにはバケモンをぶつけんだよ!」というセリフを経蔵が吐きます。じつは、経蔵には二大バケモノを衝突させて消滅させるという大作戦を立てるのですが、不合理なものの極みである「呪い」に対して、きわめて合理的な発想で考えるところが面白かったです。
わたしが「貞子vs伽椰子」を観たいと思ったのには大きな理由があります。もちろん、もともと「リング」シリーズや「呪怨」シリーズのファンだったということもありますが、それ以上にこの映画の監督が白石晃士だからです。 わたしは白石監督の大ファンで、「ノロイ」(2005)、「オカルト」(2009)、「カルト」(2013)というフェイク・ドキュメンタリー3部作は、映画の歴史に残る大傑作であると思っています。わたしは「呪いとは、脳のウィルス感染である」と考えており、心霊の問題というよりも情報処理の問題であると思っています。これらの作品を観て、それを再確認しました。
でも、「貞子vs伽椰子」における呪いはガチでしたが・・・・・・。
最後に、「貞子vs伽椰子」の中で「リング」の呪いのビデオがDVDに焼き直されたり、それがインターネットで拡散する場面などは、いかにも現代的だなと思いました。ラストシーンはちょっと「?」でしたが・・・・・・。
ちなみに、わたしの次回作は『死を乗り越えるための映画ガイド』(『死が怖くなくなる映画』を改題)ですが、この「貞子vs伽椰子」を取り上げる気はまったくありません。(苦笑)