No.378
一条真也の映画館「ボヘミアン・ラプソディ」で紹介した感動作に続いて、同じ日に映画「おとなの恋は、まわり道」を観ました。こちらのほうは、どうしようもなくショボイ作品でした。今年、わけのわからない琉球神道の映画とか、熊本の遊園地を舞台にした映画とか、「おいおい」と言いたくなる作品も観ましたが、この映画も同類でしたね。
ヤフー映画の「解説」には、こう書かれています。
「アメリカ・カリフォルニア南部のサンルイスオビスポを舞台に、個性が強い男女の恋模様を描くラブストーリー。メガホンを取ったのは『5時から7時の恋人カンケイ』などのヴィクター・レヴィン。恋に臆病な偏屈男に『ジョン・ウィック』シリーズなどのキアヌ・リーヴス、婚約者に捨てられた過去がある毒舌女をドラマシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』などのウィノナ・ライダーが演じる。ウィノナとキアヌは本作で4度目の共演となった」
ヤフー映画の「あらすじ」には、以下の通りです。
「縁を切った家族の結婚式に向かうフランク(キアヌ・リーヴス)と、結婚直前に自分を捨てた元婚約者の結婚式に出席するリンジー(ウィノナ・ライダー)は空港で出会い口論になるが、やがて同じ結婚式に出席することがわかる。現地でもホテルや式場で隣同士だった二人は、うんざりしながらも接しているうちに、互いの共通点に気付く」
いやあ、なんでこの映画を観たかといいますと、予告編でリゾート・ウエディングの物語だと知り、しかも「墓友」という言葉も予告編に登場したので、冠婚葬祭人としては「これは観なければ」と思ったのです。アメリカの冠婚葬祭最新事情がわかるかなという下心があったわけです。でも、まったく参考になりませんでしたね。
この映画、まさかの会話劇で、ほぼ全編にわたって主演の2人の会話のみ。他の人物、たとえばリンジーの元婚約者であるリゾート・ウエディングの花婿の顔もしっかり映っていない有様です。これはもう映画というより、舞台向きでは? その会話の内容も不毛な揚げ足取りの連続で、聴いていて疲れました。この会話の面白さがわからないのは、わたしが未熟だからですかね?
恋に臆病なフランクと恋に不器用なリンジーは、リゾート・ウエディングの帰りに、肉食獣に遭遇します。絶体絶命の2人でしたが、フランクの機転でなんとか逃げることに成功。その直後、「死」を意識したがゆえに生殖本能のスイッチが入ったのか、2人は草原の上でセックスをします。「人のセックスしている姿ほどみっともないものはない」とはよく言われることですが、まさにこの映画のラブシーンがそうで、ぎこちないというか、「なんで、こんな間抜けなことするの?」と言いたくなるほどのカッコ悪さでした。
しかし、よくもまあ、こんな役のオファーをウィノナ・ライダーとキアヌ・リーブスが受けたものです。わたしは、今年で47歳になるウィノナ・ライダーが昔からけっこう好きで、「シザーハンズ」(1990年)や「ドラキュラ」(1992年)などでの彼女の可憐な姿に心をときめかせたものです。本作「おとなの恋は、まわり道」でも年齢相応の美しさを見せてくれますが、なんといっても役柄が良くない。
一方のキアヌ・リーブスも、あの「マトリックス」シリーズでの凛々しい彼はどこに行ってしまったのでしょうか? じつは彼はわたしと同年代ということで、ひそかに応援しています。何を隠そう、ハリウッドの大物俳優であるトム・クルーズがわたしの1つ年上で、ブラッド・ピットとジョニー・デップが同い年、そして、キアヌ・リーブスが1つ年下なのであります。「それで?」と言われれば、困ってしまいますが。(苦笑)まあ、同年代のスターたちが頑張っている姿はわたしの励みにはなりますね。はい。