No.962
11月3日の日曜日、日本映画「スマホを落としただけなのに ~最終章~ ファイナル ハッキング ゲーム」をシネプレックス小倉で鑑賞。一条真也の映画館「スマホを落としただけなのに」、「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」で紹介した作品の続編ですが、正直イマイチでしたね。
ヤフー映画の「解説」には、こう書かれています。
スマートフォンを落としたことから始まる恐怖を描く、志駕晃の小説を映画化した『スマホを落としただけなのに』シリーズ第3弾。すご腕のブラックハッカーでもある連続殺人鬼・浦野善治と、刑事・加賀谷学との国境を越えた戦いが繰り広げられる。監督は前2作に続き中田秀夫が担当。キャストは成田凌、千葉雄大をはじめシリーズおなじみの面々が続投し、アイドルグループ『IZ*ONE』元リーダーのクォン・ウンビがヒロインを演じるほか、『ゼニガタ』などの大谷亮平、『太陽』などの佐野史郎、『娼年』などの真飛聖らが新たに登場する」
ヤフー映画の「あらすじ」は、「落とされたスマートフォンに端を発する、黒髪の美女ばかりを狙った連続殺人事件。事件を追っていた刑事・加賀谷学(千葉雄大)に一度は逮捕されたものの、人の心を操るブラックハッカーでもある連続殺人鬼・浦野善治(成田凌)は、刑務所内からサイバー攻撃を企て、警察の混乱に乗じて姿を消す。捜査陣が浦野の行方を突き止められずにいる中、突如日本政府に大規模なサイバーテロ攻撃が仕掛けられ、その発信元が韓国・ソウルであることが判明する」です。
シリーズ第1作の「スマホを落としただけなのに」は、文学賞「このミステリーがすごい!」大賞で隠し玉作品に選ばれた志駕晃のサイバーミステリーを実写映画化したものです。派遣社員・稲葉麻美(北川景子)の恋人が、スマートフォンを落としてしまう。そのことを知らずに恋人に電話をかけた彼女は、『あなたが稲葉麻美さんだってことは、分かりますよ』と見知らぬ男から電話越しに言われ、絶句する。拾い主の男から恋人のスマホを受け取りホッとする麻美だったが、その日から彼女の周囲で不穏な出来事が起こり始める。同じころ、山中で身元不明の女性の遺体が次々と発見されるのでした。
シリーズ第2作となる「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」の冒頭は、麻美と恋人の結婚披露パーティーのシーンです。そこに招待客として、千葉雄大演じる加賀谷と白石麻衣演じる美乃里が訪れます。麻美が美乃里に「次はあなたたちの番ですね」と語りかけるシーンがあるのですが、それは、次は美乃里たちが「結婚する番ですね」ではなく、結果的に「狙われる番ですね」であり、「怖い目に遭う番ですね」となったのでした。連続殺人事件が解決してから数か月後、同じ現場から新たな死体が発見されます。前作で刑事役の千葉雄大が主演を務め、彼が逮捕した獄中の殺人鬼を成田凌が続投。事件に巻き込まれるヒロインを乃木坂46の白石麻衣が演じました。
この「スマホを落としただけなのに」シリーズ、けっこう勉強になります。スマホ1つでこれだけのことができるという最新技術事情が学べるのです。もちろん映画ですから誇張も多いですが、それでも現代のICT最前線をチェックできることは事実です。本作の中にも登場しますが、スマホのケーブルやイヤホンを変えるだけで、本体のデータをすべて抜き取られるというのは衝撃でした。ブログ「アイミタガイ」で紹介した前日に観た日本映画は、スマホやSNSの良き部分を描いていましたが、本作は悪しき部分を描いていると言えます。
この映画、出演している俳優陣は豪華なのですが、どれらが無駄遣いというか、シナリオがあまり優れているとは思いませんでした。第一作では、成田陵と千葉雄大の顔の区別がつかなくて物語を追うのにずいぶんと苦心しましたが、さすがに今回はそんなことはありませんでしたね。ただ、第一作の北川景子、第二作の白石麻衣に比べて、ヒロインがクォン・ウンビというのがピンと来ませんでした。
本作にも北川景子は出演していますが、前作の映像を再利用しただけです。白石麻衣は今回も新たに出演していますが、失礼ながらちょっと太めになっており、あまり輝きは感じませんでした。ならば、ヒロインは誰が良かったのか? じつは、この映画を観る直前に、11月22日公開の「六人の嘘つきな大学生」の予告編が流れたのですが、スクリーンに浜辺美波と山下美月が登場しました。ずばり、この2人のどちらかがヒロインだったら良かった!