No.1152
アメリカ映画「Mr.ノーバディ2」をローソン・ユナイテッドシネマ小倉で観ました。一条真也の映画館「Mr.ノーバディ」で紹介した2021年の作品の続編ですが、大変面白かったです。これぞ痛快娯楽映画。スカッとしました!
ヤフーの「解説」には、こう書かれています。
「さえない中年男の覚醒を描いた『Mr.ノーバディ』の続編。前作から4年後を舞台に、家族関係を修復すべくバカンスに出かけた主人公が、旅先で犯罪組織との死闘に巻き込まれる。監督は『ヘッド・ショット』などのティモ・ジャイアント、脚本などは『ジョン・ウィック』シリーズなどのデレク・コルスタッドが担当。主演のボブ・オデンカークをはじめ、コニー・ニールセン、クリストファー・ロイドが同じ役柄で続投するほか、組織のボスを『氷の微笑』などのシャロン・ストーンが演じる」
ヤフーの「あらすじ」は、以下の通りです。
「ロシアンマフィアとの死闘から4年。焼失した3000万ドルを肩代わりした組織への借金を返済するため、ハッチ・マンセル(ボブ・オデンカーク)は昼夜を問わず任務をこなしていた。そのせいで崩壊寸前に陥った家族関係を修復しようと一家でバカンスに出かけるも、旅先のリゾート地は、汚職警官たちを支配するレンディーナ(シャロン・ストーン)率いる犯罪組織の密輸ルートとなっていた。やがてハッチは地元保安官とのいざこざをきっかけに、組織との全面戦争に巻き込まれていく」
前作「Mr.ノーバディ」は、家庭にも職場にも居場所のない平凡な中年男の覚醒を描いたアクション映画の傑作でした。さえない中年男のハッチ・マンセル(ボブ・オデンカーク)は、職場では実力が評価されず、家族からも頼りない父親として扱われていました。ある夜、自宅に強盗が押し入るも暴力を恐れた彼は反撃できず、家族に失望され、同じ職場の義弟にもバカにされます。鬱憤を溜め込んだハッチは、路線バスで出くわした不良たちの挑発にキレて連中を叩きのめしてしまいます。この事件をきっかけに、彼は謎の武装集団やロシアンマフィアから命を狙われてしまうのでした。わたしも気は短い方なので、無法者や無礼者を見るとキレそうになりますが、いつも必死に自制しております。
今回は、借金返済のために休まず仕事を続けていた主人公ハッチ・マンセルが、家族サービスのためにバカンスに出掛ける話です。ドライブで思い出のリゾート地を訪れるのですが、初日にやってきたウォーターパークが休園のため、やむなくゲームセンターへ。そこで子どもたちがトラブルに巻き込まれ、ゲームセンターの店員から娘が暴力を振るわれます。それを見てブチ切れたハッチが大暴れ。観ていてスカッとする暴れっぷりでした。
ゲームセンターでの乱闘により町のボスから「この町から出ていけ」と言われたハッチですが、せっかく家族を連れてバカンスに来たからと、リゾート地を離れようとしません。ダックボートに乗り込むハッチ一家。そこへボスの手下どもがやって来て、ハッチは別のボートへ。そこで再び大乱闘となりますが、ハッチが全員をブチのめして終わりかと思いきや、そうはならず、ハッチは身体の一部を欠損してしまいます。このシーンは意外で、ちょっと驚きました。
主演のボブ・オデンカークにとって、前作「Mr.ノーバディ」のスタントは満足のゆくものではなかったそうです。それで前作の公開後にトレーニングを開始し、格闘シーンを演じる技術を極めたとか。彼はわたしより1歳年上で、現在63歳です。さすがに無敵のファイターを演じるにはちょっと痛々しい感じがしました。前作だと4年前なので、59歳。ギリギリ50代でしたね。でも、よく考えたら、トム・クルーズもボブ・オデンカークと同じ1962年生まれということに気づきました。改めて、アクション俳優としてのトム・クルーズの偉大さを痛感しました。
本作で犯罪組織の女ボス・レンディーナを演じたシャロン・ストーンは1958年生まれ。当年67歳ですが、スクリーンに映る彼女の若いこと! ストーンは今回の役について「大物の悪役よ。クセ強めのね」と回顧しています。YouTubeに公開されているメイキング映像には、演じるストーンが「サイコーにホット」と語っているように、不気味な笑みを浮かべながら華麗にダンスを披露する様子、身に着けているアクセサリーを瞬時に凶器へと変貌させ、制裁を加える強烈な姿が切り取られています。ストーンといえば、代表作「氷の微笑」(1992年)がなつかしいですね。椅子に座った彼女が足を組み替える有名なシーンは何度もビデオで巻き戻し再生した記憶があります。笑
プロデューサーも務めたオデンカークは、「ボンド映画のヴィランにぴったりの俳優って誰だと思う? そう、シャロン・ストーンだ」と抜擢の決め手を明かし、続けて「彼女は圧倒的な存在感を持つ俳優で、しかもこの役を演じることに完全に夢中だった」とその演技を絶賛しました。ストーンも、オデンカークについて「本当にすごい役者。そんな彼から『出演してほしい』と頼まれたら答えはもちろん『喜んで!』よ。彼は誠実で、その知性が演技ににじみ出ているわ」と、熱烈に称賛しつつ、彼から直々の指名をもらい、役に抜擢されたことに喜びを露わにしています。
ところで、本作のメガホンを取ったティモ・ジャイアント監督は、日本映画が大好きで、特に浅野忠信の大ファンだそうです。「シネマトゥディ」のインタビューでは、「鮫肌男と桃尻女」(1998年)の頃から浅野忠信の大ファンであると告白し、「ボブと浅野さんが同じフレームに収まる。想像しただけでワクワクします」と語っており、「浅野さんは歳を重ねるごとに、どんどん渋みを増しています」と魅力を訴えています。第3弾が製作されるかどうかは不明ですが、ジャイアント監督は「『絶対にない』とは言えません。浅野さんとタッグを組めたら最高ですね」と笑顔で語ったといいます。実現すれば、すごく面白そうですね!


