No.1216
アメリカ・イギリス映画「クライム101」をローソン・ユナイテッドシネマ小倉で観ました。IMAXでの鑑賞でしたが、カーチェイスがド迫力でした。わたしはこういった犯罪ドラマはあまり好まないのですが、本作はなかなか面白かったです。心に残るものはありませんでしたが。
ヤフーの「解説」には、こう書かれています。
「『ボビーZ』の原作などで知られるドン・ウィンズロウの犯罪小説を映画化。アメリカ・ロサンゼルスで独自のルールに従い完全犯罪を繰り返してきた強盗犯が、ある女性に共謀を持ち掛けたことで歯車が狂い始める。メガホンを取ったのは『アメリカン・アニマルズ』などのバート・レイトン。『アベンジャーズ/エンドゲーム』などのクリス・ヘムズワースとマーク・ラファロが主演を務めるほか、オスカー俳優のハル・ベリー、バリー・コーガン、モニカ・バルバロ、ニック・ノルティらが共演する」
ヤフーの「あらすじ」は、以下の通りです。
「アメリカ・ロサンゼルスのハイウエー101号線上で強盗事件が多発。実行犯であるデーヴィス(クリス・ヘムズワース)は悪党だけをターゲットにし、現場に痕跡を一切残さないといった独自のルールのもと、4年間にわたり完璧な犯行を繰り返してきた。あるとき高額商品を扱う保険会社勤務のシャロン(ハル・ベリー)に接触して共謀を持ち掛けるが、やがて彼の犯罪計画に思わぬほころびが生じ始める」
「クライム101」は殺伐とした犯罪映画ですが、ロマンスの要素もあります。クリス・ヘムズワース演じる主人公デーヴィスの運転する車を後方から追突した女性をモニカ・バルバロが演じており、2人は恋仲になります。モニカ・バルバロといえば、2013年から女優としての活動を始め、現在35歳です。一条真也の映画館「トップガン マーヴェリック」で紹介した2022年のトム・クルーズ主演映画で作戦に参加するパイロットの1人ナターシャ・"フェニックス"・トレース役を演じてブレイクを果たしました。また、一条真也の映画館「「名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN」 で紹介した2024年のボブ・ディランの伝記映画で歌手のジョーン・バエズを演じました。その演技が高く評価され、第97回アカデミー賞では助演女優賞にノミネートされています。
主人公デーヴィスを演じたクリス・ヘムズワースは、1983年、オーストラリア生まれ。2019年、「アベンジャーズ/エンドゲーム」にソー役で出演。同年、「ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム」に名前が刻まれることが発表。米経済紙『フォーブス』発表の「2019年最も稼いだ俳優」の2位にランクイン。Netflixでプロレスラーであるハルク・ホーガンの伝記映画が製作予定ですが、ハルク・ホーガン本人からの指名でヘムズワースが主役を務めるそうです。同作はブログ「ジョーカー」で紹介した映画でメガホンを取ったトッド・フィリップスが監督を務め、ブラッドリー・クーパーなどが製作に携わります。
姿なき犯罪者を追う太っちょの刑事ルーを演じるのは、マーク・ラファロ。1968年、米国ウィスコンシン州ケノーシャにて、イタリア人とフランス系カナダ人の血を引く両親の間に生まれました。マイケル・マン監督の「コラテラル」(2004年)、デヴィッド・フィンチャーの「ゾディアック」(2007年)、フェルナンド・メイレレスの「ブラインドネス」(2008年)、マーティン・スコセッシの「シャッター アイランド」(2010年)など多くの話題作に出演。2012年の「アベンジャーズ」ではアメコミのヒーローの1人・ハルクに抜擢され、その演技力を絶賛されました。前任のエリック・バナやエドワード・ノートンを超えたとまで評価されています。
クリス・ヘムズワースとマーク・ラファロ。2人はこの「クライム101」で、「アベンジャーズ/エンドゲーム」以来となる再共演を果たしています。今作では正反対の信念を持つ男同士の心理戦を体現していますが、正体を隠す強盗デーヴィスと、すでに彼を疑っている刑事ルーが、車内で対峙する場面が描かれます。ルーは伝説的映画スターであるスティーブ・マックイーンの名をさりげなく持ち出し、デーヴィスの心理を揺さぶります。1968年公開の「ブリット」におけるマスタングGT390のカーチェイスを巡る会話は、名作クライム映画へのオマージュであり、本作を象徴する印象的なシーンの1つとなっています。
「ブリット」は、ピーター・イェーツのハリウッド第1回監督作品。スティーブ・マックイーンが運転する1968年型フォード・マスタングGT390と敵の1968年型ダッジ・チャージャーによる、サンフランシスコの急斜面を利用したカーアクションやクライマックスの空港での追跡劇が描かれます。刑事ブリットは、証言台に立つためにサンフランシスコにやってくるギャング、ジョニーの護衛を頼まれます。しかし、ジョニーは何者かに射殺されます。失意の中でブリットは、護衛の依頼主であるチャルマース上院議員の不審な行動に目をつけます。真相を求めて、ブリットの執拗な捜査が開始。クールな刑事役のマックイーンとスタントマンなしのダイナミックなカーチェイスが今も語り継がれる刑事アクションの傑作です。
「ブリット」と並んで、「クライム101」が連想させる犯罪映画は他にもあります。「ヒート」(1995年)です。マイケル・マン監督がアル・パチーノ&ロバート・デ・ニーロというハリウッドの2大名優を主演に迎え、1989年製作のテレビ映画「メイド・イン・L.A.」をセルフリメイクしたクライムアクション。プロの犯罪者ニール・マッコーリー(ロバート・デ・ニーロ)率いるグループが、現金輸送車から多額の有価証券を強奪。捜査に乗り出したロサンゼルス市警のビンセント(アル・パチーノ)は、わずかな手がかりからニールたちの犯行と突き止め、執拗な追跡を開始します。冷徹無比の犯罪組織のボスと鬼刑事の運命的な対決を描いた、骨太のサスペンス・アクションです。12分間に及ぶ大銃撃戦が大きな話題となりました。
L.A.クライム映画の名作として、「コラテラル」(2004年)も忘れることはできません。「ヒート」に続いてマイケル・マン監督がメガホンを取った作品で、トム・クルーズが初の本格的な悪役に挑戦したことで話題になりました。タクシー運転手のマックス(ジェイミー・フォックス)はロサンゼルスで12年間まじめにタクシー運転手という職業をこなしていました。ある日、客として乗せた女性検事アニー(ジェイダ・ピンケット=スミス)との会話をするうちにささやかだが心が通じ合い、アニーはマックスに自分の名刺を渡して車を降ります。トム・クルーズがこれまで演じてきたヒーロー像から一転、白髪に無精ひげの殺し屋を演じ、新境地を開いたサスペンス。トレードマークの笑顔を押し殺しての演技は真に迫ります。
クリス・ヘムズワースが「ソー」で、マーク・ラファロが「ハルク」なら、ハル・ベリーは「キャットウーマン」です。彼女は1966年、米国オハイオ州クリーブランドにて、アフリカ系アメリカ人の父とイングランド系の白人の母との間に生まれました。女優になる以前には数々のミスコンテストに出場しており、1986年のミスUSA2位、同年のミス・ワールド6位となっています。1991年の「ジャングル・フィーバー」でデビューし、翌年公開の「ブーメラン」で注目を集めました。1999年放送のテレビ映画「アカデミー 栄光と悲劇」でドロシー・ダンドリッジを演じ、エミー賞やゴールデングローブ賞を受賞。2001年、「チョコレート」でアフリカ系アメリカ人として初めてアカデミー主演女優賞受賞の快挙を成し遂げました。
さらに「クライム101」では、バリー・コーガンが良い仕事をしています。1992年アイルランド・ダブリン生まれの彼は、悪役でキャリアを積み重ねています。本作の大きな見どころの1つが、リアル志向のカー&バイクチェイス。クリス・ヘムズワースが多くのドライビングシーンを自ら演じていますが、バリー・コーガンもバイクスタントの大半を自身でこなしていることが明らかになりました。コーガンにはモトクロスの経験があり、「チェイスシーンはすべて自分でやった。完成映像に思わず拍手した」と語っています。ロサンゼルス市内20ブロックを封鎖して撮影された大規模チェイスは圧巻。特に、IMAXで鑑賞すれば迫力満点です!


