7月27日、アメリカ・イギリス・フランス・ベルギー合作映画「隣人たち」をローソン・ユナイテッドシネマ小倉で鑑賞。ムチャクチャ怖かったです! 予告編に「ヒッチコックへのラブレター」と謳っていた意味がよくわかりましたね。
ヤフーの「解説」には、こう書かれています。
「隣り合う家に住む主婦二人が、ある事故をきっかけに互いへの疑念や妄想が暴走するサイコスリラー。ベルギーのマグリット賞で監督賞や作品賞を含む9部門を受賞した『母親たち』を、『博士と彼女のセオリー』などで撮影監督を務めてきたブノワ・ドゥロームがリメイク。事故を機に関係が一変する親友同士をオスカー俳優のジェシカ・チャステインとアン・ハサウェイが演じるほか、『わたしは最悪。』などのアンデルシュ・ダニエルセン・リー、『バードピープル』などのジョシュ・チャールズらが出演する」
ヤフーの「あらすじ」は、以下の通りです。
「1960年代のアメリカ。大都市郊外の隣り合う家に暮らす親友同士のセリーヌ(アン・ハサウェイ)とアリス(ジェシカ・チャステイン)は、互いに同い年の一人息子がいて幸せな生活を送っていた。そんな中、セリーヌの息子が悲惨な事故に遭ったことで二人の関係性が揺らぎ始める。喪失感にさいなまれるセリーヌは、次第にアリスの息子・テオに強い関心を示すようになり、その様子に違和感を抱いたアリスは親友への不信感を募らせていく」
本作は、「ベルギーのアカデミー賞」と呼ばれるマグリット賞で史上最多の9部門を受賞した「母親たち」(2018年)のリメイクです。「母親たち」の舞台は1960年代のブリュッセル。息子同士が仲の良い母親であるアリスとセリーヌもまた親友でしたが、ある悲劇的な事故が起こり、仲がよかったはずの二人の間に罪悪感、パラノイア、共犯関係、疑いが生まれてしまいます。監督はオリヴィエ・マッセ=ドゥパス、出演はフィーラ・バーテンス、アンヌ・コエサン、メーディ・ネブー、アリエ・ワルトアルテなど。熱烈なラブコールで、ヨーロッパ映画「母親たち」がハリウッド映画「隣人たち」として生まれ変わりました。
1960年代のアメリカの中流家庭。隣に建つ同じような家が2軒。愛車も同じクラス。暮らしているのも、父親同士、母親同士、息子同士がいずれも親友という奇跡のような2組の家族。オープニングでは、アン・ハサウェイ演じるセリーヌがサプライズで誕生日を祝われるという、この上なく幸福なシーンが流れます。感激したセリーヌが真っ先に抱きついたのはジェシカ・チャステイン演じる親友のアリスでした。その夜は、隣家に住む2組の夫婦が酒を飲み、ダンスを踊ります。「いくらお隣さん同士でも、ちょっと仲が良すぎるのでは?」と思っていたら、不幸な事件をきっかけに、セリーヌとアリスは最悪の関係になってしまいます。予告編をはじめとした公開情報で明らかになっていますが、セリーヌの息子は自宅のバルコニーから転落死してしまうのです。
グリーフを抱えたセリーヌをアリスはケアしようとしますが、2人の心は擦れ違ってしまい、元通りにはならないのでした。フランスには「別れは小さな死」ということわざがあります。愛する人の死は、その本人が死ぬだけでなく、あとに残された者にも小さな死のような体験をもたらすという意味です。人生は失うことの連続ですが、一番苦しい試練は、自分の死に直面することと愛する人を亡くすことでしょう。グリーフケアの書である拙著『愛する人を亡くした人へ』(現代書林・PHP文庫)には、「親を亡くした人は、過去を失う。配偶者を亡くした人は、現在を失う。子を亡くした人は、未来を失う。恋人・友人・知人を亡くした人は、自分の一部を失う」と書きました。セリーヌはまさに未来を失ってしまったのです。
本作のメガホンをとったブノワ・ドゥロームは、1961年パリ出身。1980年にパリ・ソルボンヌ大学とエコール・ルイ・ルミエールで映画学を学び始め、撮影技術を専攻し、ロベール・ブレッソンお気に入りのカメラマンに師事しました。撮影監督を務めたトラン・アン・ユン監督「青いパパイヤの香り」(1993年)はキャリア初のブレイクとなり、カンヌ国際映画祭でカメラ・ドール賞を受賞し、アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされました。その後、ツァイ・ミンリャン監督「ふたつの時、ふたりの時間」、「縞模様のパジャマの少年」(2008年)、アル・パチーノ監督、ジェシカ・チャステイン主演「サロメ」(2011年)、 一条真也の映画館「博士と彼女のセオリー」で紹介した2014年の作品、さらには「永遠の門 ゴッホの見た未来」(2018年)など、長年にわたり撮影監督として第一線で活躍。本作で長編監督デビューを飾りました。
本作に出演するセリーヌ役のアン・ハサウェイは現在43歳、ジェシカ・チャステインは49歳ですが、63歳のわたしから見れば「若くて綺麗なお母さん」といった感じでした。2人が着る衣装も魅力的でした。本作の衣装デザイナーは、ミッチェル・トラバーズ。コネチカット大学で衣装デザインと人形劇の2つの美術学士号を取得。独立前の10年間は「オーシャンズ8」(2018年)、「アメイジング・スパイダーマン2」(2014年)、バラエティ番組「サタデー・ナイト・ライブ」などのアシスタント・アソシエイト衣装デザイナーとして経験を積みました。ボー・バーナム監督「エイス・グレード」(2018年)でブレイクし、バラエティ誌の「Artisan’s Impact Report」に選出。ロレーヌ・スカファリア監督「ハスラーズ」(2020年)ではコスチュームデザイナーギルド賞にノミネートされました。現在はニューヨークとロサンゼルスを拠点に活動しています。