No.0060
話題の日本映画「モテキ」を観ました。
久保ミツロウによる人気コミックの映画化です。
これまでにテレビ東京系でドラマにもなっており、大根仁が演出を担当しています。 大ヒット中の映画版でも、大根仁が監督を務めています。
もともと、わたしは人気コミックを原作とする話題作ということは知っていました。
でも正直言って、まったく関心がありませんでした。
「どうせ、お馬鹿な映画だろう」とタカをくくっていたのです。しかし、ある人から「とっても面白いから、ぜひ観てほしい」と言われて、しぶしぶ観に行ったのです。
観てみると、予想に反して、大変面白いエンターテインメントでした。
主人公の藤本幸世は、いわゆる「草食系男子」。
31にもなって女性との経験が1回しかないという「セカンド童貞」で、とにかくモテない派遣社員です。しかし、ある日突然、女の子から次々と好意を示され、いわゆる「モテ期」が始まります。怒とうのように恋のチャンスもすべて過ぎ去り、4人の女の子たちとの関係は終わってしまいます。その1年後、再び新たな女の子たちが幸世に接近し始め、「セカンド・モテキ」がやって来ました。
藤本は、焦りながらも無我夢中で女の子たちに向き合っていきますが、彼氏と同棲しているという松尾美由紀のことがどうしても忘れられないのでした。
藤本幸世を森山未来、松尾美由紀を長澤まさみが演じています。
この2人は、「世界の中心で、愛をさけぶ」のコンビです。
わたしは、けっこう映画の「セカチュー」は好きだったので、2人の共演は楽しみでした。
なんだか、2人の親のような心境で、久々の共演に目を細めてしまいましたね(笑)。
また、わたしは森山未来が好きなのです。劇団☆新感線の「メタルマクベス」に出演している姿を観て以来、そのダンスの感性を含めた演技の才能を高く買っています。
本作「モテキ」でも、エンターテイナーとしての彼の魅力が存分に発揮されていました。 原作のコミックには一話ごとに、さまざまなJポップが登場しますが、映画でも多くの歌が流れます。まるで「音楽映画か」と思うぐらいに。
その他、麻生久美子、仲里依紗、真木よう子らが主演しています。
また、いやらしい中年の上司役をリリー・フランキーが怪演しています。
彼はわたしと同年齢なのですが、助平な雰囲気をプンプン漂わせています。
こんなに見事に演じられるなんて、きっと実際の私生活でも助平なのでしょうね。
あと、ツイッターがやたらと登場するのが、ちょっと目障りでした。現代恋愛事情を描くのに、小道具としてツイッターを使うのはわかるのですが、少々やり過ぎでは?
詳しいストーリーは、ネタバレになるので控えますが、男女の恋愛についていろいろと考えさせられる傑作でした。麻生久美子演じる内気な枡本留未子が、吉野家の牛丼を美味しそうに平らげ、お代りまでするシーンが個人的には好きです。
またラストシーンでは、なんというか心が洗われたような気がしました。
「世界の中心で、愛をさけぶ」に負けない純愛映画だと思います。
「お馬鹿な映画」などと甘く見ていて、申し訳ない気持でいっぱいです。
この映画を薦めて下さった人にも感謝しています。
公開もあとわずかでしょうが、まだ観ていない方はぜひ御覧下さい。