映画「オブリビオン」を観ました。
 トム・クルーズ主演の話題のSF大作です。
 監督は、「トロン:レガシー」のジョセフ・コシンスキーです。

 じつは、わたしはこの映画をどうしても観たいとは思っていませんでした。
 トム・クルーズは好きな俳優なのですが、予告編で紹介される映画の内容がよくある近未来SFに思えて、あまり魅力を感じなかったからです。
 しかし、5月30日の夜にアップされた「ムーンサルトレター」の第95信に、Tonyこと鎌田東二さんが観たい映画があるとして、次のように書かれていたのです。


「それは、5月31日に日本公開されるトム・クルーズ主演の『オブリビオン』です。この前、地下鉄丸ノ内線の四ツ谷駅のプラットフォームで、ふと、映画の宣伝の看板が目に入りました。一人の男が廃墟に佇み、巨大なビルの残骸を見上げているような光景でした。たしかそこに、『地球にたった一人、取り残された男』とか何とかの宣伝コピーが付いていたように記憶します。
 それが、『オブリビオン』でした。どうも、昔から、この手の惹句に弱いのですよ。ニコラス・ローグ監督、デヴィッド・ボウイ主演の『地球に落ちてきた男』とか」

 鎌田さんは続けて、次のようにも書かれています。


「これは、やはり、17歳の時、テアトル東京で観た『2001年宇宙の旅』のディープ・インパクトがトラウマのように残っているせいかもしれません。とにかく、わたしが人生上でこれほど感動したことはないという映画が、スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』でした。これを100回以上、観てます。何度観ても、すばらしいと思います。凄いよ、キューブリックさんは。」


 義兄弟の契りを結んでいる鎌田さんがここまで言われるからには、「これは観なければなるまい」と思った次第です。ちなみに、わたしもキューブリックの「2001年宇宙の旅」は大好きな映画です。SF映画の最高傑作と思っています。

 さて、そこで「オブリビオン」です。
映画の公式サイトの「STORY」には、「何故、彼は人類のいない地球に残されたのか―?」とのタイトルで次のように書かれています。


「2077年、エイリアンの攻撃を受け、地球は全壊、生き残った人類は、他の惑星への移住を果たすが、ジャック(トム・クルーズ)は荒廃した地球に残り、パトロール機バブルシップをかり、高度1000mの上空から地球を監視している。ある日、ジャックは墜落した宇宙船で眠る美女ジュリア(オルガ・キュリレンコ)を発見する。目を覚ました彼女は、なぜか逢ったことのないジャックの名を口にした。彼女に不思議な結びつきを感じながら、次第にあらゆる現実に疑問を抱くようになっていくジャック。そして、二人に隠された"真実"は謎の男ビーチ(モーガン・フリーマン)によって明かされようとしていた―。人類のいない地球に残されたジャックと、突如現れたジュリアの織り成す切ないラブストーリーが誕生した」

 この映画を観た感想ですが、一言でいうと「渋い大人のSF映画だな」です。
 「渋い大人のブラックコーヒー」とか「苦い大人のビール」などと同じ印象です。
 たしかに予測不可能なストーリー、半壊した地球の鮮烈なビジュアルなども魅力的なのですが、非常に安定感があるというか、「そう、そう、こういうのが観たかったんだよ、俺は・・・」と自分で納得してしまうような感じです。
 「映画.com」で映画評論家の山口直樹氏が「一見どこかで見たようなSF映画と思われそうだが、きちんと観ると、映像もストーリーも細部までしっかり作り込まれた秀作だ」と述べていますが、まったく同感です。不毛の大地の空に月の残骸が漂っているという地球の終末の光景にインパクトがありました。これは、侵略者が、月を破壊して地球に天変地異を起こしたためです。ネタバレになるのを防ぐため、これ以上は言及しませんが、さすがは満月交感者である鎌田東二さんだけあって、この映画では月が重要な役割を果たすのでした。

 さて、主人公ジャックにはなぜか記憶がありません。そう、「オブリビオン(oblibion)」という英語は、「忘れている」とか「忘却」といった意味ですね。
 記憶がないために、彼はしばしば不安に苛まれます。このあたりはトム・クルーズ主演の「バニラ・スカイ」で描かれた実存的不安に通じるところがありました。
 あと同じく彼が主演した「マイノリティ・リポート」の雰囲気もありましたね。
 戦闘シーンでは、ウェルズの古典SFを映画化した「宇宙戦争」を連想しました。
 トム・クルーズって、これまでずいぶんSF映画に出演していたんですねぇ。

 トム・クルーズといえば、わたしの1歳上です。この映画では、彼の半裸シーンも何度か出てきましたが、非常に肉体が鍛え上げられていて、「はぁ~」と溜め息が出ました。50歳の大台を迎えたわたしも、できるだけ筋トレには励んでいるつもりですが、トム・クルーズの肉体美の足元にも及びません。
 ちなみに、ブラッド・ピットとジョニー・デップはわたしと同年齢、そしてキアヌ・リーブスが1歳下です。「だから何よ?」と言われたら「何でもありませんよ!」と答えますけど・・・(苦笑)

 こんなわたしに対して、鎌田さんはレターで次のように書いて下さいました。


 「50歳の誕生日、まことにおめでとうございます。『40にして惑わず』(不惑)、『50にして天命を知る』(知命)を『論語』を読み切ることで乗り切り、『天下布礼』を実践する雄姿は頼もしい限りです。50歳を過ぎて、ますますご活躍ください。『ションボリ』などする暇はありませんよ。まったく」
うー、なんという優しい言葉でしょうか!
 御年62歳になられるTonyさんの優しさが五臓六腑に沁みわたります。
 ところで、名言ブログを書くための資料として『たった1つの言葉が人生を大きく変える』Dr.マーディ・グロース著(日本文芸社)という本を読んでいたら、ある名言を発見しました。それはアメリカの女優キャロル・ライファーの言葉で、「自分より年上の人に、年齢からくる悩みを言うな」というものでした。ぎゃふん!

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