ディズニー映画「マレフィセント」を観ました。ここ最近、話題の映画が波状攻撃のように続々と公開されています。ずっと映画鑑賞を我慢していたこともあり、もう映画を観ずにはおられません。わたしの中の映画男が完全に覚醒しました。6日の日曜日、わたしのブログ記事「トランセンデンス」で紹介した映画を観た後、続けて「マレフィセント」の上映館に向かいました。

 映画公式HPの「イントロダクション」には、「~ウォルト・ディズニー創立90周年記念作品~『眠れる森の美女』の悪役マレフィセントの視点で描かれる、"禁断の呪い"が生んだ究極の愛の物語」として、以下に続きます。


「ディズニー禁断の秘密が、ついに暴かれる─ディズニー・アニメの傑作「眠れる森の美女」の誰も知らない"本当の物語"をドラマティックに描き出す、"永遠の眠り"の呪いが生んだ究極の愛の物語が誕生。主人公は、「眠れる森の美女」の悪役にして、邪悪な妖精マレフィセント。あのロマンティックなおとぎ話を"悪役マレフィセント"の視点から描く時、物語は摩訶不思議に姿を変え、これまで信じてきた善悪の基準は覆される。
 はたして彼女は何者だったのか? なぜオーロラ姫に恐ろしい"永遠の眠り"の呪いをかけたのか?そして、その呪いがマレフィセントとオーロラ姫にもたらす、驚くべき運命とは? そのすべての謎を解く鍵は、観客の予想を鮮やかに裏切る"真実の愛"に隠されていた・・・・・・。マレフィセントを演じるのは、本作品の製作総指揮も手掛けるアンジェリーナ・ジョリー。可憐なオーロラ姫役には、全世界で人気急上昇中のエル・ファニング」

 また、「映画公式HP」の「ストーリー」には、「邪悪な妖精マレフィセント なぜ彼女は"呪い"をかけたのか? 誰も知らない『眠れる森の美女』が、いま目覚める」として、以下のように書かれています。


「ある王国で、念願のロイヤル・ベビー、オーロラ姫の誕生を祝うパーティーが開かれ、招待客たちが見守る中、3人の妖精たちが次々に幸運の魔法をオーロラ姫にかけていく。『美しさを贈ります』『いつも幸せに包まれますように』・・・だが、3人目の妖精の番になった時、"招かれざる客"である邪悪な妖精マレフィセントが突如現れ、オーロラ姫に恐ろしい呪いをかけてしまう―『16歳の誕生日の日没までに、姫は永遠の眠りにつくだろう。そして、真実の愛のキスだけが姫の眠りを覚ます』と。
 幸運の魔法の通り、オーロラ姫は幸せに包まれ、美しい娘に成長していく。その姿をいつも影から見守るのは、あのマレフィセントだった。その視線が時に温かな感情に満ちていることを、必死に隠しながら。そして、オーロラ姫が16歳になる瞬間を、密かに恐れながら・・・。なぜ彼女はオーロラ姫に呪いをかけねばならなかったのか?―その謎を解く鍵は、人間界と妖精界とのあまりに悲しい戦いの歴史と、マレフィセント自身の封印された過去にあった。マレフィセントの呪いは成就してしまうのか? そして、呪いがマレフィセントとオーロラ姫にもたらす驚くべき運命とは? 
 観客の予想を鮮やかに裏切るこの映画は、実はまぎれもないラブ・ストーリー。その愛の深さこそが"悪役マレフィセント"のすべてのミステリーを解く最大の鍵となる・・・」

 オーロラ姫といえば、16歳で糸車の針に刺されて永遠の眠りにつくという呪いをかけられます。この物語に絵本やアニメで接するたびに、わたしは次女のことを思います。次女は1歳の誕生日に自宅の階段から転げ落ちたのです。さらに6歳の誕生日にも階段から転げ落ちました。
 幸い、赤ちゃんや幼児のときだったので、体がゴム毬のように柔らかかったのでしょう、次女の体にはかすり傷ひとつ見つかりませんでした。しかし、もっと成長して体が硬くなれば、骨折などの大怪我は必至です。1歳、6歳ときて、次は11歳のときに落ちるのではないかと長女がたいそう心配して、「11歳の誕生日は、2階には絶対に上がってはダメ」と妹に言っていました。11歳の誕生日には何事も起こりませんでしたが、次は16歳が控えています。次女は現在14歳で、この10月で15歳になります。「11歳が大丈夫だからといって油断してはいけない」と長女は言っています。このように、わが家族はまるでグリム童話のような世界を生きているのです。

 この映画は、言わずと知れたディズニー・アニメ「眠れる森の美女」のアナザー・ストーリーです。「眠れる森の美女」のヒロインであるオーロラ姫は、白雪姫やシンデレラと並んでディズニーの「三大プリンセス」とされています。そして、オーロラ姫といえば「王子様のキス」で有名ですね。眠れる森の美女は、白馬に乗った王子様からの優しい口づけで目を覚ますのです。しかしながら、「マレフィセント」を観て驚きました。わたしのブログ記事「アナと雪の女王」で紹介した大ヒット・アニメと同じく、ディズニーのお家芸である「王子様のキス」を完全否定しているのです。

 ネタバレにならないように書くのは難しいのですが、「真実の愛」は男女の恋愛の中にはないというメッセージが強く伝わってきます。これまた「アナと雪の女王」と同じく、王や王子の描き方も従来とは違います。「マレフィセント」に登場するステファン王は卑怯な男であり、悪役として描かれているのです。そして、「アナと雪の女王」と同じように、「マレフィセント」も異性との愛ではなく、同性の愛というものに大きな価値を置いています。もしかすると、現在のウォルト・ディズニー社はレズビアンあるいはフェミニストが牛耳っているのでしょうか。もちろん冗談ですが、そう言いたくなるほど、最近のディズニーは弾けていますね。

 映画評論家の有澤真庭氏は、「映画.com」で「『マレフィセント』おとぎ話の悪女を現代的視点で描き直し、アンジーの魔法で仕上げたファンタジー」として、以下のように述べています。


「意識的にせよ、無意識的にせよ、たいていの人がマレフィセントに『アナ雪』の雪の女王エルサを重ねてしまうのではないだろうか。『アナ雪』のもとになった童話に出てくる雪の女王も、『マレフィセント』のオリジナル版『眠れる森の美女』の魔女も、ともに『善』の存在たる主人公に害を及ぼす『悪』であった。こういう勧善懲悪ものは、すべてのピースが完璧にはまったパズルのようなものだ。意外性はないかもれないが、調和がとれている。そこへ、『現代的視点』というメスを入れ、いったんバラバラに解体してみたら、まったく別のタングラム(『雪の女王』の原作で女王に囚われたカイ少年が遊んでいたパズル)が組み上がった、それが『アナ雪』であり、『マレフィセント』である。では、『現代的視点』とは、具体的には何であろう。それは、『女王の/魔女の動機は? 隠された行動原理は何なのか?』という点と、『<真実の愛>とは何か?』という疑問にほかならない」

 「『マレフィセント』アンジェリーナ・ジョリー 単独インタビュー」において、「真実の愛が本作のテーマの1つになっていますね」という問いかけに対して、アンジーは次のように答えています。


「 マレフィセントは、強い正義感を持っているの。強いハートがあり、自分の考えの善悪をしっかり見極めていたけれど、その後で迷ってしまうのよ。マレフィセントという役を演じたことを誇りに思っているし、彼女は力で屈服させる男性的な方法ではなく、母性に基づく愛の力を選んだことが素晴らしいと思う。多くの人に真実の愛を知ってほしいと思っているわ。真実の愛を知れば、人間は愛でつながり、理解し合えるはずだと信じたいから」

 また「人道活動をなさるあなたの信条が反映されていますか?」という質問に対して、アンジーは次のように語っています。


「 女性は生まれながらにいろいろな可能性を持っているもの。けれども環境や成長の過程ではばまれてしまうと、自分がなるべきものになることをやめてしまいがち。女性が団結してサポートし合うのは大切なことだと思うわ。それと同時に励ましてくれる男性がいることも。そういう方々への感謝を忘れないことが大事ね。優しさや女の子らしさ、深い思いやりといった女性ならではの複雑な特質を持ちながらでも戦士になれるということを知ってほしいわね」

 アンジーは、なんと昔からマレフィセントが好きだったそうで、以下のように製作秘話を語っています。


「わたしは、子供のころからマレフィセントが大好きだったわ。ディズニーのキャラクターの中で一番のお気に入りだったのよ。本作の場合は、オリジナルの『眠れる森の美女』に敬意を払うことがとても大事だったから、特殊メイクアーティストの第一人者であるリック・ベイカーがメイクを担当してくれて本当に良かったわ。顔にシリコンを付けて頬骨をかなり強調したけど、美しいラインになったしエレガントでしょ。顔のアップになればわかるけど、彼女の奥歯がとがっていたり、ヤギの目をベースにしたコンタクトレンズを着けたりして細部にまでこだわっているのよ」

 その結果、見事なマレフィセントが誕生しました。
 黒マントやゴシック風味の衣装は、アンジー自身のアイデアだそうです。
 また、声色を決めたエピソードがユニークで、次のように語っています。


「子供たちに物語を聞かせる時、いろいろな声を試したところ、笑ったりはしゃいだりして最もリアクションが得られた声に決めたのよ。とても美しいストーリーなだけに、邪悪なことを楽しむ彼女の感覚を失わないようにしたかったの」

 インタビュアーが「威厳ある声ですし、時折怖かったです」と述べると、アンジーは「まさにそれを狙ったの! 実は発声方法が違うのよ。通常の映画では普段と同じぐらいの声量だけど、今回は演劇スタイルの腹式呼吸でせりふを言っているのよ(と、実演)。基礎をしっかりさせるために、コーチのレッスンを受けたわ。発声練習ははだしになってね。そういうことをしたのはわたしがまだ10代のころ、演劇学校に通っていた時以来のことよ」と語っています。実際、この映画のアンジーの演技は素晴らしく、さすがはオスカー女優だと思いました。

 さて「マレフィセント」には、2つの国が登場します。妖精の国と人間の国です。これは、ケルト的な多神教の世界とキリスト教的な一神教の世界そのものだと思いました。人間の国は妖精の国を征服しようとし、マレフィセントを「魔女」だと断じて殺そうとします。そう、「魔女」というのはもともとキリスト教的世界観による異教排除のイデオロギーから生まれたものです。この映画には、豊かな自然の魔女マレフィセントが描かれています。そして、木々が茂る自然の中で生きる魔女は緑色のオーラに包まれています。

 緑色の魔女といえば、舞台ミュージカル「ウィキッド」が思い出されます。これは映画化もされたボームの『オズの魔法使い』の前日譚です。本場・ブロードウェイの開幕から、ロサンゼルス、シカゴでのロングランをはじめ全米ツアー、さらにはロンドン、シドニー、トロント、東京、大阪、福岡と上演都市を増やし、全世界で2700万人を魅了しました。各地で何度も興業収入記録を打ち立ててきたミュージカルです。日本では、劇団四季が上演しています。2009年3月、わたしは劇団四季「ウィキッド」を観ました。そして、差別や偏見は政治的に作られるものであることを改めて強く感じました。

 「誰も知らない、もう一つのオズの物語」であるこの作品は、『オズの魔法使い』に登場する「悪い魔女」と「善い魔女」の誕生秘話です。美しいルックスで皆から愛されるグリンダと、生まれつき緑色の肌を持ち周囲から差別され続けてきたエルファバ。この二人が世の中から「善」と「悪」というレッテルを貼られてゆくさまは、「正義とは何か」「悪とは何か」について深く考えさせます。これはそのまま「マレフィセント」のテーマであることは言うまでもありません。「マレフィセント」の製作スタッフは、きっと「ウィキッド」の成功からインスピレーションを得たのではないでしょうか。

 最後に、緑色の女性といえば、緑色の髪をした女性が最近話題になっていますね。そう、女優すみれが扮するラムちゃんです。「リゲイン」のCMに登場しますが、なんともいえないインパクトですね。わたしは父親の石田純一も母親の松原千明も昔から好きだったのですが、2人の愛娘すみれの大ファンです。ルックスも性格もすべてにおいて完璧な大和なでしこ!
 彼女を「日本の誇り」だとさえ思う今日この頃だっちゃ!(笑)

  • 販売元:ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
  • 発売日:2014/12/03
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