映画「グランド・イリュージョン 見破られたトリック」を観ました。
 ブログ「グランド・イリュージョン」で紹介した映画の続編です。
 わたしは「マジック」や「イリュージョン」をテーマにした映画が大好きなので、この作品を観るのをとても楽しみにしていました。

 ヤフー映画の「解説」には以下のように書かれています。

「イリュージョンを駆使して悪がせしめた大金を奪う犯罪集団フォー・ホースメンの活躍を描いた『グランド・イリュージョン』の続編。ハイテク企業の不正を暴こうと計画を進める彼らと、立ちふさがる天才エンジニアの攻防を活写する。監督は『G.I.ジョー バック2リベンジ』などのジョン・M・チュウ。ジェシー・アイゼンバーグ、マーク・ラファロ、ウディ・ハレルソンなどの主要メンバーが再結集し、ダニエル・ラドクリフが宿敵となるエンジニア役で参戦。より驚きを増したイリュージョンとスリルを極めた物語に圧倒される」

 また、ヤフー映画の「あらすじ」には以下のように書かれています。

「アトラス(ジェシー・アイゼンバーグ)がリーダーのマジシャン集団、フォー・ホースメン。イリュージョンショーを繰り広げては不正に搾取された金を奪取してきた彼らが、再び出現し注目を浴びる。しかし、新たなショーでハイテク企業の不正を暴こうとするが、何者かによってイリュージョンは失敗に終わる。その裏に、ウォルター(ダニエル・ラドクリフ)という天才ハイテクエンジニアの存在があった。」

  前作のストーリーは、意外性に満ちた予測不能の物語でした。
 また、古代エジプトの「ホルスの目」を信仰し、魔術の復活を企む"アイ"という秘密結社の存在も見え隠れして、オカルトの香りもしました。ただ、ちょっと欲張り過ぎというか、ネタを入れ込み過ぎて、観ている方が混乱してしまう部分がありました。それと、ネタバレにならないようにしますが、正直言ってオチが「ちょっと・・・」と、わたしは思いました。前作の物足りない終り方からすると、「きっと続編が作られるに違いない」と思いましたが、やはり予想は的中しましたね。

 前作に比べて、今度の続編のほうがストーリーは面白いです。
 フォー・ホースメンは単なる大泥棒ではありません。他人の人生をふみにじりながら悪どく金儲けるをする連中から大金を奪い、それを庶民にばらまくのです。いわば「鼠小僧」のような義賊なのです。そう、地球規模のスケールで活躍するグローバル「鼠小僧」なのです。

 この映画でも、フォー・ホースメンは世界の情報を操って私服を肥やす悪い保険王に闘いを挑みました。彼の私生児を「ハリー・ポッター」のダニエル・ラドクリフが演じているのですが、彼は自分の存在を絶対にオープンしません。「管理社会においては匿名であることが最高の自由なのだ」などと言うのですが、たしかに匿名ブロガーをはじめ、匿名で活動している連中には悪党が多いと納得しました。悪党には制裁を!

 しかし、この映画の魅力は、ストーリーよりも、華麗なイリュージョンのシーンに尽きると思います。フォー・ホースメンのカードさばきは神業で、見とれてしまいます。特に、極秘情報の入ったチップを奪った後のボディチェックでのカードさばきは最高でした。また、ニューヨークにいた人物が瞬間移動でマカオに出現したり、飛行機から落とされた人間が生きていたりするイリュージョンは刺激的で、惹きつけられました。

 「グランド・イリュージョン 見破られたトリック」には数多くのスーパー・イリュージョンが登場しますが、前作と同じく、希代のイリュージョニストとして知られるデヴィッド・カッパーフィールドが監修したそうです。

 カッパーフィールドは、近代魔術の祖とされるハリー・フーディーニ以来の「消失魔術の天才」とされた人で、「空港中央におけるジェット機消失」や「ニューヨークの自由の女神消失」などのスケールの大きなイリュージョンで有名になりました。日本のテレビでも、よく彼の特番が放映されました。

 わたしは、かつて『遊びの神話』(PHP文庫)で「マジック」という一章を設け、そこでデヴィッド・カッパーフィールドに触れました。「マジック」の章の冒頭には、個人的なマジックとの出合いが次のように書かれています。

「ぼくが子供の頃、インド大魔術団の一行が小倉に来て、実家のホテルに泊まったことがあった。ぼくは彼らがつくったカレーを一緒に手づかみで食べるくらいに親しくなり、団長をはじめみんなから結構可愛がられた。ある日、小倉市民会館で行なわれた彼らのショーに招待され、そこで生れて初めてマジックというものを観た。ショックだった。美女が箱に入れられて電動ノコギリで切断されるところなんか、本当にはらわたが飛び出てくると思ってイスの下に隠れたおぼえがある。ラストでぼくと仲良しの団長は手錠をかけられたまま水槽の中に閉じ込められ、さらにその上からカギをかけられて、鉄の鎖をグルグルとまかれた。その直後に客席の後ろの方で歓声がするのでふり向くと、水槽の中にいるはずの団長がニコニコして立っているではないか。ぼくはすっかりシビレてしまい、それ以来マジックのファンとなった」

 ブログ「マジック・イン・ムーンライト」で紹介したウッディ・アレンの監督作品をはじめ、「幻影師アイゼンハイム」とか「プレステージ」とか、マジックを題材とした名作は多いです。もともと映画そのものが魔術そのものだと言えますが、マジックやイリュージョンと映画は相性がいいように思います。
  「マジック・イン・ムーンライト」は『死を乗り越える映画ガイド』(現代書林)でも取り上げ、マジックやイリュージョンの本質について述べました。

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