No.946
アメリカ映画「サウンド・オブ・フリーダム」をシネプレックス小倉で観ました。児童人身売買の闇に挑んだ捜査官の実話を基にした衝撃の社会派サスペンスです。大ヒットの一方で「Qアノン」との関わりがアメリカで報道されるなど、賛否両論・毀誉褒貶が激しいようですが、やはり観るに値する映画でした。「一条賞」の有力候補作品です。
ヤフー映画の「解説」には、こう書かれています。
「国際的な児童人身売買の被害に遭った少年少女の救出に奔走したティム・バラード氏の経験に基づく実録サスペンス。児童人身売買の闇に立ち向かう捜査官を『パッション』などのジム・カヴィーゼルが演じ、『誘惑のアフロディーテ』などのミラ・ソルヴィノ、『ワイルドライフ』などのビル・キャンプらが共演。『リトル・ボーイ 小さなボクと戦争』などのアレハンドロ・モンテベルデがメガホンを取り、『パッション』の監督を務めたメル・ギブソンが製作総指揮に名を連ねる」
ヤフー映画の「あらすじ」は、以下の通りです。
「国土安全保障省の捜査官ティム(ジム・カヴィーゼル)は、国際的な性犯罪組織に拉致された少年少女の行方を追っていた。上司から特別に捜査許可を得た彼は、児童人身売買がはびこる南米・コロンビアに単身乗り込み、前科者や資金提供を申し出た資産家、地元警察と組んで大規模なおとり作戦を計画する。やがてティムは、尊い命を救うために命懸けで作戦に臨むことになる」
児童誘拐、人身売買、性的虐待といった国際的性犯罪の数々。その市場規模は年間約1500億ドルと言われています。本作は、それらの犠牲となった少年少女を救い出すために過酷なミッションに挑んだ実在の人物ティム・バラードの闘いを基にした衝撃の物語です。アメリカでの公開時には賛否両論が巻き起こる中、異例の大ヒットを記録し「2023年全米映画興収トップ10」に堂々のランクインを果たしました。「パッション」(2004年)で知られる演技派俳優ジム・カヴィーゼルが、マフィアの巣窟へと乗り込む連邦捜査官をリアルに演じました。監督と共同脚本を務めるアレハンドロ・モンテベルデが児童人身売買の底知れぬ非道さに真正面から斬り込み、心に突き刺さるハイグレードな映画として完成させています。
アメリカ国土安全保障省の捜査官ティム(ジム・カヴィーゼル)は、12年間で何百人もの小児性愛者を逮捕してきました。だが、性犯罪組織に誘拐された子どもの多くは捜査権の及ばない外国にいるため、彼らを救出することはできません。そんな中、ティムは小児性愛者のふりをして8歳の少年ミゲルを救出します。ミゲルはホンジュラスで一緒に誘拐された姉と生き別れになっていました。彼女の救出を誓ったティムは、コロンビアに向かい、現地の警察や資産家、裏社会出身のバンピロ(ビル・キャンプ)らと協力し、大規模なおとり作戦を実行するのでした。
犯罪の証拠をつかんだティムたちは武装して家に忍び込み、男の隙をついて逮捕します。ミッション完了後、ティムの同僚は、被害にあった子どもたちの姿を見ることに耐えられないという理由から、捜査を降りると口にする。同僚の「これまでに何人の小児性愛者を捕まえた?」という問いに、ティムは「今日で 288 人だ。悪くない」と答えるが、「助けた子どもは?」と聞かれ、「子どもたちがいるのは主にアメリカ国外だ。だから俺たちの仕事は小児性愛者を挙げる、それだけだ」と、悲しげな表情を浮かべるのでした。毎日、悲痛な現実に向き合わなければならない捜査官の仕事は、精神的にも大きなダメージを受けるため、辞職者があとを絶たないといいます。
アメリカ国土安全保障省の職員であるティムは、国外に売られた子どもたちの行方を追うことができません。しかし、劇中で彼は、上司から特別に捜査許可をもらい、事件の温床となっている南米コロンビアに単身潜入。ワケアリの前科者、資金提供を申し出た資産家、さらに地元警察と手を組み、大規模なおとり作戦を計画し、自らの命をかけた壮絶な闘いに挑んでいくのでした。映画の随所で挿入される、実際の子どもの誘拐映像がショッキングです。道端や駅で、前触れもなく突然、子どもたちが車やバイクに乗せられ、姿を消していきます。そこには、劇中で描かれるような周到な計画は存在しません。現在も数百万人の子どもが誘拐されているといいますが、「世界にはこんな現実があるのに、呑気にSDGsとか言っていても始まらないだろう!」と思ってしまいます。