No.1114
 

 アメリカ映画「ジュラシック・ワールド/復活の大地」をローソン・ユナイテッドシネマ小倉のIMAXで観ました。わたしは恐竜や怪獣が登場するSF映画が好きなので期待していたのですが、なんとB級モンスター映画となっており、正直言って「なんじゃこりゃ?」でした。
 
 ヤフーの「解説」には、「現代によみがえった恐竜たちを描く『ジュラシック』シリーズの第7弾。ある極秘任務を命じられた秘密工作員率いるチームが、さまざまな恐竜たちが生息する島へ向かう。同シリーズの生みの親スティーヴン・スピルバーグが製作総指揮に名を連ね、『ザ・クリエイター/創造者』などのギャレス・エドワーズが監督、シリーズ第1作『ジュラシック・パーク』などのデヴィッド・コープが脚本を担当。主演のスカーレット・ヨハンソンをはじめ、マハーシャラ・アリ、ジョナサン・ベイリー、ルパート・フレンドらが出演する」とあります。
 
 ヤフーの「あらすじ」は、以下の通りです。
「生態系のバランスが崩れた地球で、恐竜たちは太古の環境に似た赤道付近の地域で生き永らえていた。一方秘密工作員のゾーラ・ベネット(スカーレット・ヨハンソン)は、画期的な新薬開発の鍵を握るという遺伝物質を持つ巨大恐竜のDNA採取を命じられ、傭兵のダンカン・キンケイド(マハーシャラ・アリ)、古生物学者のヘンリー・ルーミス博士(ジョナサン・ベイリー)らと共に目的地へ向かう。やがて一行は、かつて「ジュラシック・パーク」の極秘研究施設が存在した孤島にたどり着く」
 
「ジュラシック」シリーズは、アメリカのSFメディア・フランチャイズです。1990年、ユニバーサル・ピクチャーズとアンブリン・エンターテインメントが、マイケル・クライトンの小説『ジュラシック・パーク』が出版される前にその権利を購入したことから始まりました。この小説は成功し、1993年にはスティーヴン・スピルバーグ監督が映画化。この映画は2013年に劇場用3D再公開され、2018年には米国議会図書館によって「文化的、歴史的、または美学的に重要」であるとして米国国立フィルム登録簿に保存されることが決定。1993年に公開されたこの映画は、現在でも1990年代を代表する名作のひとつとされている。1995年に続編となる小説『ロスト・ワールド』が発表され、1997年に映画化。なお、『ジュラシック・パークIII』(2001年)を含むその後のシリーズ映画は、小説を原作としていません。
 
 4作目の「ジュラシック・ワールド」は、当初2005年に公開予定でしたが、何度も延期され、最終的に2015年6月に公開されました。この作品は、オープニング週末に全世界で5億ドル以上の興行収入を記録した最初の作品となり、劇場での上映期間を通して16億ドル以上の興行収入を記録し、当時3番目に高い興行収入を記録しました。世界的な恐竜のテーマパーク、ジュラシック・ワールド。恐竜の飼育員オーウェン(クリス・プラット)が警告したにもかかわらず、パークの責任者であるクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は遺伝子操作によって新種の恐竜インドミナス・レックスを誕生させます。知能も高い上に共食いもする凶暴なインドミナス。そんな凶暴なインドミナスが脱走してしまうのでした。すべての元凶です!
 
 今回の「ジュラシック・ワールド/復活の大地」は、シリーズを仕切り直した新章第1弾となっています。1993年に恐竜が復活してから30年以上が経過した世界を描いており、「ジュラシック」シリーズの時間軸をしっかりと守っています。2015年の「ジュラシック・ワールド」では遺伝子操作によって新種の恐竜を生み出すというタブーを冒しますが、本作ではその遺伝子操作がその後も続けられており、とんでもない事態を招くという設定になっています。しかし、そこで登場する新種の恐竜がまさにB級モンスター映画の怪物そのもの。造形のセンスが皆無でガッカリ! 主演のスカーレット・ヨハンソンは良かったです。腕も太くて逞しいし、立派なアクション女優ですね!
 
 スカーレット・ヨハンソンが演じる熟練の特殊工作員ゾーラ・ベネットは、信頼する傭兵のダンカン・キンケイド(マハーシャラ・アリ)、古生物学者のヘンリー・ルーミス博士(ジョナサン・ベイリー)らと共に、初代「ジュラシック・パーク」の極秘研究施設が存在した禁断の島へと足を踏み入れます。そこはかつてパークの所有者が極秘の実験を行い、"最悪の種"といわれる20数種の恐竜が生き残った、地球上で最も危険な場所でした。ゾーラたちの任務は、心臓病に奇跡的な治療効果をもたらす新薬の開発に不可欠な、陸・海・空の3大恐竜のDNAを確保することです。軍隊じゃあるまいし、「陸・海・空」を揃える意味がまったくわかりませんでしたが、ゾーラたちが最初に遭遇するのは海で最大の爬虫類であるモササウルスでした。
 
 最後にとんだB級モンスター映画と化す本作ですが、変てこりんな新種の怪物よりも、従来のオーソドックスな恐竜の描写は良かったです。わたしはアパトサウルスやティラノサウルス(Tレックス)が好きなのですが、映画の冒頭に、アパトザウルスはなんとニューヨークはマンハッタンのど真ん中に姿を現します。マンハッタンで共通渋滞を起こす巨大恐竜の姿はとてもシュールで魅力的でした。また、海上でゾーラたちに救出された一家を襲うTレックスも凶暴かつ威厳に満ちており、‟ザ・恐竜"といった印象でしたね。こういったオーソドックスな恐竜を描かせたら、「ジュラシック」シリーズはやはり無双状態ですな。
 
 本作の監督を務めたギャレス・エドワーズは「人間の遺伝子に刻み込まれているのは、襲いかかる巨大生物への恐怖です」と語り、"恐竜の脅威"をリアルに描くことこそがこのシリーズの核だと強調しています。迫力ある映像の裏側には、世界中から集められた才能があります。視覚効果監督を務めたデヴィッド・ヴィッカリーによると、エドワーズ監督から「恐竜をすべてデザインするのに6週間しかないから、優秀なアーティストを山ほど揃えてほしい」と連絡があったといいます。翌日には世界中から50人以上のコンセプトアーティストが集まり、わずか1週間でなんと700点もの恐竜のコンセプトアートが完成。エドワーズ監督は膨大な数の資料に自ら目を通し、独自の世界観にふさわしい恐竜を選び抜いていったそうです。大変な苦労ですが、その結果が最後のB級モンスターだとすると、ちょっと残念ですね。いや、かなり残念な新作でした。