No.1154


 11月6日、いくつかの打ち合わせの後、日本のドキュメンタリー映画「ヒポクラテスの盲点」をシネスイッチ銀座で観ました。大きな衝撃を受けました。どんなホラー映画よりも恐ろしい内容で、すべての日本国民が観るべき問題作です。
 
 ヤフーの「解説」には、こう書かれています。
「新型コロナウイルスのワクチン後遺症問題を描くドキュメンタリー。新型コロナウイルスがまん延する中で接種が始まったワクチンによる後遺症について多方面から検証する。監督を務めるのは『プリテンダーズ』などに携わってきた大西隼。ほんべつ循環器内科クリニック理事長の藤沢明徳氏、医療法人社団それいゆ会理事長の児玉慎一郎氏、京都大学名誉教授の福島雅典氏らが出演している」
 
 ヤフーの「あらすじ」は、以下の通りです。
「新型コロナウイルスの感染が広がる中、従来のワクチンとは異なる新技術で開発された新型コロナワクチンの接種が始まる。一方で、ワクチンには副作用の後遺症と考えられる症状を指摘する向きもあり、ほんべつ循環器内科クリニック理事長の藤沢明徳氏らは、専門家らと共にその影響を究明しようと『ワクチン問題研究会』を発足させる」

 わたしの周囲でも、ここ数年で50代~60代で亡くなった人が多いのですが、この映画を観て、それが全国的な現象であると知りました。また、コロナ禍以降、日本人の死亡率が急激に上昇し、平均寿命が一気に下がったことを知って愕然としました。それは決して、新型コロナウイルスに感染して亡くなっただけではありません。ワクチンの接種を繰り返したことによって心臓などに負担がかかり、多くの人々を死に至らしめたというのです。
 
 新型コロナワクチンは、国が推奨した"救世主"のはずでした。新型コロナウィルス蔓延という未曽有の危機を経て国の感染症対策は変化を重ねました。しかし、今となってさまざまな情報が報道され始めているのが、従来のワクチンとは根本的に異なる点です。新技術で開発された新型コロナワクチン(mRNA遺伝子製剤)による後遺症被害の問題はあまりにも大きいです。過去に例のない「新薬」の認可と流通は、大変な危険を伴った賭けであったことが医学的に明らかになりつつあるのです。「ヒポクラテスの盲点」は、大手メディアがほとんど報道しない、科学と事実に基づいた驚愕のドキュメンタリー映画でした。
 
 当初からその安全性を不安視する声もあったが、ワクチン接種はあくまで強制ではなく努力義務・推奨とし、思いやりという同調圧力が日本中を覆っていました。多くの国では2~3回接種までが主流でしたが、日本ではその安全性に「重大な懸念はない」とされ、一度も中断することなく特に高齢者らに対して7回目のブースター接種まで推奨が続けられました。ちなみに、わたしは2回しか接種していませんが、昨年88歳で亡くなった父は6回接種しています。この映画を観て、アメリカでも新しいワクチンの危険性が訴えられてきたことを知り、そんな重要情報を報道しなかった厚生労働省に強い疑問を抱きました。
 
 大西隼監督は、これまでNHK系の「欲望の資本主義」シリーズ、「欲望の時代の哲学」、「アナザー・ストーリーズ 田中角栄編」、「ニッポンのジレンマ」などのディレクターを務めてきました。YouTubeには大西隼監督の「人間スタジオ」という動画がUPされています。前編では、「ヒポクラテスの盲点」の制作のきっかけ、医師へのアプローチ・取材で見えてきた真実。決して推進・反対だけではないコロナワクチン検証の今への思いなどを語っています。後編では、東大理学博士課程修了後、映像業界に入るという異色の経歴の監督がなぜ映像制作に携わることになったのか、その原点など監督自身についてもたっぷり語っています。
 
 この映画のタイトルは有名な「ヒポクラテスの誓い」をもじったものです。ヒポクラテスの誓いは、古代ギリシャの医師ヒポクラテスに由来するとされる、医師の倫理や任務を定めた宣誓文です。この誓いは、患者に害を与えない、患者の秘密を守る、師やその子孫を敬い、知識を誠実に伝えるといった内容を含みます。患者への義務としては、「患者に害をなす治療法を決して行わない」「人を殺す薬や流産させるための道具を与えない」「患者の身分や自由・奴隷の区別なく、不正をしない」などです。現在では、現代の倫理観に合わせて改変された「ジュネーブ宣言」が後継とされています。

「ヒポクラテスの誓い」は古代ギリシャが発祥ですが、日本には「医は仁術」という言葉があります。医術は単なる技術ではなく、人を思いやり、慈愛の心をもって病人を助けることが本来のあり方であるという格言です。損得を考えず、人命を救うことを第一とするのが医の道であるという意味です。この考え方は、江戸時代に広く用いられ、現代の医療倫理の基盤にもなっています。 人命を救う博愛の道:人命を救うことは、博愛の精神に基づいたものであるという考え方で、「コンパッション」にも通じますね。
 
「ヒポクラテスの誓い」は医学的に専門性が高い内容も含まれ、わたしには難しい箇所もありましたが、多くの学びを与えられ、「医療とは何か」について考えさせられました。そして、この映画の主役ともいえる京都大学名誉教授の福島雅典医師の情熱がスクリーン越しに伝わってきました。福島名誉教授は、国内での65歳から79歳までのワクチン接種回数ごとの死亡率と重症化率のデータを開示するよう厚労省に請求しましたが、厚労省は開示しないと決定。その決定を取り消すよう東京地裁に提訴しています。映画の冒頭で、福島氏は生後5か月の乳飲み子を残してワクチンの後遺症で亡くなった患者を想って泣かれていました。福島氏の闘いは「死者との共闘」だったのです。わたしは深い感銘を受けましたが、氏の「インフルエンザのワクチンだって効いてるかどうかわからん」という発言は、1週間前にインフルエンザの予防接種をしたばかりのわたしの胸を直撃しました。