No.1251


 アメリカ映画「FEVER ビーバー!」をローソン・ユナイテッドシネマ小倉で観ました。観たこともない摩訶不思議な映画でしたが、ムチャクチャ面白かったです!
 
「FEVER ビーバー!」は、2022年の作品。
ハンターの男と無数の着ぐるみビーバーたちが繰り広げる死闘をモノクロ映像のシュールな世界観で描き、世界各地のファンタスティック系映画祭で話題を呼んだ異色のアクションエンターテインメントです。監督・脚本・製作はマイク・チェスリックですが、彼は登録者数160万人超えのYouTuberとしても活躍しています。
 
「映画.com」の「あらすじ」は、以下の通りです。
「りんご酒売りの仕事を失い、森の動物を狩るハンターとなった男。毛皮取引所で運命の女性と出会った彼は、彼女との交際を父親に認めてもらうため、何百匹ものビーバーの毛皮が必要になる。さまざまな罠を仕掛けてビーバーたちを狩ろうとするハンターだったが、ビーバーたちもただ黙ってはやられない。氷点下の森を舞台に、ハンターとビーバー軍団の戦いが幕を開ける」
 
 この映画、世界中のアングラ系映画祭で好評を得たそうです。元りんご酒売りのハンターが着ぐるみのビーバー軍団と死闘を演じるさまをモノクロの映像で描くというシュールな内容。これが予想以上に、ムチャクチャ面白かったです。台詞はほとんどなく、早送りでオーバーな動きや唸り声などで意思表示していますが、ギャグはふんだんに盛り込まれています。サイレント映画時代のチャップリンやキートンに代表されるスラップスティック・コメディを彷彿とさせますが、これは時代も言語も超えた名作かもしれません。
 
 登場する動物はタイトルにあるビーバーだけかと思いきや、他にもウサギ、アライグマ、犬、馬、熊、狼、キツツキなどが出て来ます。それらの動物たちは、着ぐるみの中に入った人間の動きをするので、とにかく笑えます。特に冒頭ではウサギが重要な存在として描かれ、ハンターとの知恵比べが行われます。わたしはウサギ年なのですが、すっかりハンターの味方になってしまい、「早く、ウサギをつかまえろ!」と思ってしまいました。
 
 最初は何の武器も持たない徒手空拳で獲物を捕まえようとするハンターでしたが、もちろん簡単にはいきません。そのうち、彼は毛皮取引所で犬ぞりサンタ風大男に出会います。意気投合した大男とともに狩りをする生活を送るようになって、ハンターの腕前は見違えるように上達。不幸な出来事から大男がいなくなって単独で狩りをするようになったハンターは、すっかり一人前の狩人に成長していました。この映画、彼の成長物語としても楽しめます。
 
 さて、着ぐるみのキャラクターが登場するモノクロ映像といえば、わたしは幼い頃に観ていたTVドラマ「快獣ブースカ」をなつかしく思い出します。1966年(昭和41年)11月9日から1967年(昭和42年)9月27日まで、毎週水曜日19時―19時30分に日本テレビ系で全47話が放送された、円谷特技プロダクション・東宝製作の特撮テレビドラマです。主人公は、ブースカという架空の怪獣です。円谷特技プロの作品「ウルトラQ」(1966年)の1エピソード「カネゴンの繭」がベースになっており、「もしも家庭に怪獣が住んでいたら?」というテーマで、かつ当時の子供たちの視点に立って作られたコメディです。
 
 ブースカは、従来は恐怖の対象として扱われることの多かった怪獣を子供たちの友達として位置づけられ、肩書も「怪獣」ではなく親しみやすさを込めて「快獣」とされています。第26話では、ブースカの弟としてチャメゴンが初登場しました。弟を欲しがるブースカのために大作が発明した「物体電送構成装置」によってリスと宇宙生物の原子が合成されて誕生した宇宙快獣です。性格はイタズラ好きで意地っぱりですが、めげるとなかなか立ち直れないという純粋さも合わせ持ちます。このチャメゴンの造形が、「FEVER ビーバー!」のビーバーのそれと重なります。
 
 わたしが「FEVER ビーバー!」を観たとき、シネコンの隣のシアターではディズニー&ピクサーのアニメ映画「私がビーバーになる時」が上映されていました。「私がビーバーになる時」は、最新テクノロジーを使ってビーバーに意識を転送した若者が、高速道路になってしまう森を守ろうと動物たちと立ち上がる物語です。高速道路の開通工事によって思い出のある森がなくなってしまうことを知った大学生のメイベルは、森を守るためにある計画を決行します。それは最新テクノロジーを使ってビーバーに意識を転送し、ほかの動物たちと力を合わせて森を守る作戦を立てることでした。それにしても、わたしは映画館に長年通い続けていますが、「ビーバー」という固有名詞がタイトルに入った映画が同時上映されるのはかなり凄いことだと思います。いま、ビーバーがブームなのでしょうか?