No.0324


 沖縄を舞台にした映画「カーラヌカン」の試写会に参加しました。3月10日からの公開なのですが、GACKTが15年ぶりに主演した話題作です。

 ヤフー映画の「解説」には以下のように書かれています。

「ミュージシャンのGACKTが主演を務め、沖縄の八重山諸島を舞台に真摯(しんし)に愛と向き合う美しい男女の姿を捉えた愛の物語。主人公と少女の宿命の出会いを、神々しい八重山の風景と共に描写する。メガホンを取るのは、ライフスタイルプロデューサーとしても活躍する『さかなかみ/SAKANAKAMI』の浜野安宏。原始的なパワーが宿る沖縄の光と影を切り取った、美麗な映像に幻惑される」

 また、ヤフー映画の「あらすじ」には以下のように書かれています。

「国境を越えて活動を続ける写真家の大山光(GACKT)は、沖縄の八重山諸島の大自然の中で、美しい少女・石垣真海の撮影に臨んでいた。西表島での撮影中、生成りの芭蕉布を身にまとった真海はまるで神隠しにあったかのように大山の前からこつぜんと姿を消す。その後4年の間、彼は彼女を捜し続け......」


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   渋谷HUMAXシネマにて


 わたしは北九州市という地方都市に住んでおり、なかなか東京で開催される映画の試写会に参加する機会が少ないのですが、この日はたまたま東京出張していたので参加することができました。マーケティング・プロデュ-サーの谷口正和さんをはじめ、なつかしい方にもたくさんお会いしました。監督や俳優さんたちの舞台挨拶にも立ち会うことができて嬉しかったです。映画に出演した歌手の加藤登紀子さんやマリーンさんも元気な姿を見せてくれました。

 主役のGACKTは不在でしたが、700人以上のオーデションの中から選ばれたヒロインの木村涼香さんが舞台に立ちました。八頭身の見事なプロポーションでした。新体操の選手だったそうですが、八頭身の見事なプロポーションでした。木村さんは映画初出演にして初主演でしたが、GACKT提案の「ハリウッド式ラブシーン」では、なかなかの濡れ場も演じてくれました。

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   浜野安宏さんと


「カーラヌカン」の監督は、ブログ「浜野安宏さん」で紹介した日本を代表するライフスタイル・プロデューサーです。株式会社浜野商品研究所を設立し、フロムファースト、東急ハンズ、神戸ポートアイランド、横浜みなとみらい21ポートサイド地区・・・・・数多くの空間をプロデュース。1981年、神戸ポートピア81とAXISのプロデュースにより毎日デザイン賞受賞。92年、自ら創業した会社を退社後、新たに浜野総合研究所と改名して新設。そして、世界のクリエーター組織である「チーム・ハマノ」を結成されました。渋谷のシンボルとなっている「QFRONT」も浜野さんのプロデュースです。また、今や世界的建築家となった安藤忠雄氏を最初に発見した方です。

 舞台挨拶で浜野監督は、「『愛』とは科学的に見れば、不条理の極みだろう。愛とは求めるものではなく、与えるものではなく『愛になる』ことである」と持論を述べられ提案した。浜野監督にとって、この映画は「さかなかみ/SAKANAKAMI」以来の作品です。今回の「カーラヌカン」ですが、感想を正直に述べるなら、もうひたすらGACKTの存在感が際立っていました。何をしても、どのように演技しても、GACKTはGACKTです。最も絵になったシーンは、彼が赤ワインを飲んでいる場面でした。

 GACKTといえば、「一流芸能人」として有名です。今年の元旦に放送された、芸能人の品格を問うバラエティ番組「芸能人格付けチェック!これぞ真の一流品だ!2018お正月スペシャル」(テレビ朝日系)では、"X JAPAN"のYOSHIKIと組み、「ワイン」「和楽器」「味覚」「三重奏」「盆栽」「牛肉」の6つの格付けチェックに挑みました。結果、見事な全問正解で貫禄を見せつけました。特に、GACKTは個人連勝記録を「55」に伸ばしています。

 それから、「カーラヌカン」は沖縄の美しい自然が印象的でした。沖縄の自然を描いた映画といえば、一条真也の映画館「久高オデッセイ」で紹介した作品が思い起こされます。製作者は「バク転神道ソングライター」こと鎌田東二先生で、株式会社サンレーが協賛、わたしも協力者に名を連ねています。わたしは「久高オデッセイ」三部作を観て、まず、「これはサンレーのための映画だ!」と思いました。
 サンレー沖縄は、沖縄が本土復帰した翌年である1973年(昭和48年)に誕生しました。北九州を本拠地として各地で冠婚葬祭互助会を展開してきたサンレーですが、特に沖縄の地に縁を得たことは非常に深い意味があると思っています。サンレーの社名には3つの意味がありますが、そのどれもが沖縄と密接に関わっています。


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   「守礼之社」をめざすサンレー沖縄


 まず、サンレーとは「SUN‐RAY(太陽の光)」です。
 沖縄は太陽の島。太陽信仰というのは月信仰とともに世界共通で普遍性がありますが、沖縄にはきわめてユニークな太陽洞窟信仰というものがあります。「東から出づる太陽は、やがて西に傾き沈む。そして久高島にある太陽専用の洞窟(ガマ)を通って、翌朝、再び東に再生する。その繰り返しである」という神話があるのです。おそらく、久高島が首里から見て東の方角にあるため、太陽が生まれる島、つまり神の島とされたのでしょう。
 そして久高島から昇った太陽は、ニライカナイという海の彼方にある死後の理想郷に沈むといいます。紫雲閣とは魂の港としてのソウル・ポートであり、ここから故人の魂はニライカナイへ旅立っていくのです。

 次に、サンレーとは「産霊(むすび)」です。
 生命をよみがえらせるという意味です。産霊といえば何といっても祭りですが、沖縄は祭りの島といわれるほど祭りが多い。特に村落単位で行なわれる伝統的な祭りが多く、本土では神社が舞台ですが、沖縄ではウタキ、神アシャギ、殿(トゥン)といった独特の祭場で行なわれます。司会者はノロやツカサなど女性が多いのですが、八重山のアカマタ・クロマタや中部のシヌグなど男性中心の祭りもあります。また、本土のように「みこし」を担ぐ習慣はなく、歌や踊りといった芸能が非常に発達しています。

 産霊といえば、生命そのものの誕生も意味しますが、沖縄は出生率が日本一です。15歳以下の年少人口率も日本一で、まともな人口構造は日本で沖縄だけと言っても過言ではありません。「久高オデッセイ第三部 風章」でも、久高島に新しい生命が誕生していましたね。
 わが社の結婚式場「マリエール・オークパイン那覇」での結婚式を見ると、花嫁さんの多くはお腹が大きいです。つまり、「できちゃった結婚」がとても多いわけですが、これは素晴らしいことだと思います。セックスしても子どもは作らないヤマトンチューはバッド!子どもを作って責任取って結婚式まできちんとするウチナンチューはグッドです。これぞ、人の道!

 そして、サンレーとは「讃礼」(礼を讃えること)です。言うまでもなく、沖縄は守礼之邦。礼においても最も大事なことは、親の葬儀であり、先祖供養です。沖縄人ほど、先祖を大切にする人はいません。
 1月には16日(ジュールクニチー)、3月には清明祭(シーミーサイ)。ともに墓参りの祭りですが、最大の墓地地帯である那覇の識名の祭りも壮観だし、糸満の幸地腹門中墓は沖縄最大の清明祭が行なわれます。

 沖縄の人は、先祖の墓の前で宴会を開く。先祖と一緒にご飯を食べ、そこは先祖と子孫が交流する空間となる。本当に素晴らしいことです! 子どもの頃から墓で遊ぶことは、家族意識・共同体意識を育て、縦につながる行事です。これは今の日本人に最も欠けていることで、ぜひ本土でもやるべきだと確信します。

 このように守礼之邦・沖縄は何よりも「礼」を重んじますが、2500年前に孔子は「礼楽」という道を説きました。「楽」とは音楽のことです。音楽をこよなく愛した孔子は、自らも琴を弾きながら人の道を説いたといいます。
 沖縄は芸能の島です。沖縄出身の芸能人を見ると、安室奈美恵、MAX、SPEED、Kiroro、DAPUMP、BEGIN、Gackt、夏川りみ、喜納昌吉&チャンプルーズという面々は沖縄出身です。その他にも、アルベルト城間がボーカルをつとめたDIAMANTES、Cocco、モンゴル800、ネーネーズ、りんけんバンドなど全国ブランドの人気バンドが目白押し。沖縄音楽大躍進の秘密について、安室やMAX、SPEEDが幼い頃から通った沖縄アクターズスクールが何かと取りざたされてきましたが、それよりも重要なのは、沖縄全域におけるエイサー教育の存在です。

 本来は、先祖供養のための盆踊りとして沖縄島各地で行なわれていたエイサーですが、中部の中頭を中心に、より芸能的な要素を加えて徐々に裾野を広げていきました。地域によって演じられるスタイルは異なりますが、保育園や幼稚園、それに小学校、中学校の運動会でエイサーが演じられるようになり、今では、堂々の主役となっています。沖縄出身アーティストたちは学校でのエイサーを体験してきたのです。沖縄は礼楽の島なのです。ちなみに、サンレー沖縄の社員のみなさんも芸達者ぞろいです。映画「カーラヌカン」にはニライカナイ祭りというのが出てきて、そこでエイサーが披露されていました。

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   守礼門にて「天下布礼」の旗を掲げる!


 このように「太陽の島」であり「祭りの島」である沖縄はまさにサンレーの理想そのものです。わたしはサンレーが沖縄で45年も冠婚葬祭業を続けてこられたことを心の底から誇りに思います。そして、沖縄には本土の人間が忘れた「人の道」があり、それこそ日本人の原点であると確信します。今こそ、本土は「沖縄復帰」すべきではないでしょうか。「カーラヌカン」を観て、そんなことを考えました。