No.421
24日の午後、東京から北九州に戻りました。25日の日曜日、小倉で映画「ロケットマン」を観ました。英国のミュージシャンのエルトン・ジョンの半生を描いた伝記ドラマで、ミュージカル映画です。ちょうど現在、次女がイギリスに留学しているので、イギリスが舞台の映画を観たいと思っていました。音楽の力を感じさせてくれる名作でした。
ヤフー映画の「解説」には、こう書かれています。
「『Your Song/ユア・ソング(僕の歌は君の歌)』などで知られるミュージシャン、エルトン・ジョンの半生を描いた伝記ドラマ。主演は『キングスマン』シリーズなどのタロン・エジャトン、共演に『リヴァプール、最後の恋』などのジェイミー・ベル、『ジュラシック・ワールド』シリーズなどのブライス・ダラス・ハワードらが名を連ねる。『キック・アス』などのマシュー・ヴォーン監督とエルトン・ジョン自身が製作を務め、『サンシャイン/歌声が響く街』などのデクスター・フレッチャーがメガホンを取った」
ヤフー映画の「あらすじ」は、以下の通りです。
「少年レジナルド・ドワイトは、両親が不仲で孤独だったが、音楽の才能に恵まれていた。エルトン・ジョン(タロン・エジャトン)という新たな名前で音楽活動を始めた彼は、バーニー・トーピン(ジェイミー・ベル)と運命的な出会いを果たし、二人で作った『Your Song/ユア・ソング(僕の歌は君の歌)』などヒットナンバーを次々と世に送り出して世界的な名声を得ることになる」
一条真也の映画館「ボヘミアン・ラプソディ」で紹介した大ヒット映画を陰の監督として完成に導いたデクスター・フレッチャーが続いてメガホンを取ったのは、またも英国のロックスターであるエルトン・ジョンの伝記映画でした。同性愛や父親との確執など、両作品に共通したテーマもあります。しかし、「ロケットマン」には、「ボヘミアン・ラプソディ」のような名曲誕生秘話やレコーディング裏話などは登場しません。その代わりに、子どもにまったく愛情を注がない両親に育てられた内気な少年が持ち前の音楽の才能でロック界のスーパースターとなり、栄光の後はアルコールやドラッグによる転落人生を描き、そのシーンにふさわしいエルトンのヒット曲を登場人物たちが歌い踊るというミュージカル映画となっています。
主人公であるイギリスのミュージシャン、エルトン・ハーキュリーズ・ジョンは、1947年3月25日生まれの72歳。出生時の名前は、レジナルド・ケネス・ドワイトです。同性愛者であり、パートナー(夫)はカナダ人映画監督・プロデューサーのデヴィッド・ファーニッシュです。代表曲に「僕の歌は君の歌」「クロコダイル・ロック」「キャンドル・イン・ザ・ウィンド」「ダニエル」「ベニーとジェッツ」などがあります。「グラミー賞」に34回ノミネートされ、5回受賞しています。シングルとアルバムの総売り上げは2億5千万枚から3億枚以上とされており、これは「史上最も売れたアーティスト」で5位の記録とされています。ちなみに1位はザ・ビートルズ、2位はリアーナ、3位はマイケル・ジャクソン、4位はエルヴィス・プレスリーで、6位がマドンナ、7位がレッド・ツェッぺリン、8位がピンク・フロイドです。
Wikipedia「エルトン・ジョン」の「人物」には、以下のように書かれています。
「1969年にソロ・デビュー。1970年の『僕の歌は君の歌』のヒット以降コンスタントに活動を続け、現在までに全世界で3億枚以上のレコード・セールスを記録した、世界で最も成功した男性ソロ・アーティストの一人である。作曲は彼自身によるものだが、作詞は1968年のデビュー以降その多くを盟友バーニー・トーピンが手がけている。芸名は、彼がソロ・デビュー前に参加したバンド、ブルーソロジーのメンバーだったエルトン・ディーン(Elton Dean、キース・ティペット・グループを経てソフト・マシーンに加入)とロング・ジョン・ボルドリー(Long John Baldry)の2人の名前から取ったものである」
続いて、Wikipedia「エルトン・ジョン」の「人物」には、こう書かれています。
「1970年代前半に、人気は全盛期を迎えた。1972年の『ホンキー・シャトー』以降、『ピアニストを撃つな!』(1973年)、『黄昏のレンガ路』(1973年)、『カリブ』(1974年)、『グレイテスト・ヒッツ』(1974年)、『キャプテン・ファンタスティック』(1975年)、『ロック・オブ・ザ・ウェスティーズ』(1975年)が7作連続全米首位を記録し、1975年には『キャプテン・ファンタスティック』で全米ビルボードのアルバムチャート史上初の初登場1位を記録するなど、この時期に彼は数多くの快挙を成し遂げている。当時、若手アーティストとしてギルバート・オサリバンをライバルとして認めた。活動休止期間を経て、トーピンと一時期決別してからは不遇の時代が続いたが、一方で1986年にはディオンヌ・ワーウィックらとのデュエット曲『愛のハーモニー』で初のグラミー賞を受賞している」
続いて、Wikipedia「エルトン・ジョン」の「人物」には、こう書かれています。
「1980年代後半から1990年代前半にかけては、喉の病気やアルコール、薬物依存症などに苦しみながらも、音楽活動と並行してチャリティーにも精力的に取り組むようになる。1990年代前半からは復調し、映画『ライオン・キング』のサントラなど数多くの仕事で成功した。1997年には、旧作の詩の一部を差し替え、事故死したダイアナ妃に捧げたシングル『キャンドル・イン・ザ・ウィンド 1997/ユー・ルック・トゥナイト』が、全世界で3700万枚以上を売り上げるシングル史上最大のヒット曲となる。この記録は、2015年現在も破られていない。1998年2月24日には長年の功績を称えられ、ポピュラー音楽の音楽家としては3人目となるナイトに叙勲された」
続いて、Wikipedia「エルトン・ジョン」の「人物」には、こう書かれています。
「彼の音楽性は、しばしば同様にピアノマンの異名を持つビリー・ジョエルと比較されがちだが、メロディメーカーとしての手腕は確かなもので、様々なジャンルの音楽を貪欲に吸収し独自のものにしている。初期のプログレッシブ・ロック志向からカントリー・ミュージックへの傾倒、さらにはアメリカン・ロック、ソウル、ディスコに至るまで、その音楽性は幅広い。日本においてはバラード・シンガーとして認知されがちだが、サービス精神旺盛な生粋のロックンローラーであり、確かな技術に裏打ちされたパフォーマンスの評価は高い。過剰なまでの派手な衣装も特徴的である(着ぐるみを着用していた時期もあった)。ピアノの下に隠れての曲弾きや、クライマックスでのピアノの上によじ登ってのゴリラ踊りを行うことも多い」
続いて、Wikipedia「エルトン・ジョン」の「人物」には、こう書かれています。
「70年代に両性愛者を公表したが、90年代に同性愛者のヒントをよく与えてくれた。1984年にドイツ人の女性と結婚したが、4年後に離婚。2005年には男性の恋人と再婚して大きな話題を呼んだ。2017年にオーストラリアに同性婚合法化の国民投票のときに、インスタグラムで昔『本当の自分を否定して』女性と結婚して彼女を悲しませたことを投稿した。近年のグラミー賞授賞式では、ゲイを揶揄するリリックを歌ったエミネムとパフォーマンスして物議を醸したが、ジョンは音楽性が優れているアーティストに対して協力するのは当然と、意に介さなかった。性格は繊細さと荒々しさを併せ持ち、長年自身の容姿にコンプレックスを持っていたとされる」
そして、Wikipedia「エルトン・ジョン」の「人物」には、こう書かれています。
「1970年代の前半頃から既に頭髪が薄くなりカツラを使用していたが、1990年代に植毛手術に成功。21世紀に入っては視力矯正手術にも成功し、長年愛用していた眼鏡もオークションに出した。現在は、それらを自らギャグとして披露してもいる。また、過激で辛辣な言動などから、常にゴシップでとりあげられる存在である。一方では、取材に対して饒舌でもあり、舌禍事件を起こすこともしばしばある。交友関係は非常に広く、数多くのミュージシャンのみならず、デヴィッド・ベッカムをはじめとするサッカー選手などとも親交がある。また、クラブチームを保有していた時期がある」
エルトン・ジョンの奇抜なステージ衣装は「ショーマン」というよりも「道化師」を感じさせます。わたしも、学生時代には、彼のことを「頭は薄いし、腹は出てるし、衣装はメチャクチャだし、どうしようもなくダサいオッサンだなあ」と思っていました。しかし、彼の歌声だけは素晴らしいとも思いました。その歌声を主演俳優であるタロン・エジャトンが見事に再現したのですから、大したものです。
タロン・エジャトンは、「キングスマン」第二弾「ゴールデン・サークル」でエルトン本人と共演して信頼を獲得していましたし、アニメ映画「SING シング」でもゴリラのジョニー役でエルトン・ナンバーを歌っていましたが、ここまでエルトンのナンバーを歌い上げるとは驚きました。あと、スクリーンに映るエジャトンの顔と表情は、エルトンというよりも、レオナルド・ディカプリオに似ていると思いました。
かつて、「楽聖ショパン」や「楽聖ベートーヴェン」などの実在の音楽家の人生を描いた映画が流行しました。フレディ・マーキュリーやエルトン・ジョンなどのロック・スターの伝記映画はその現代版かもしれませんね。異色のミュージシャン伝記映画として、一条真也の映画館「シュガーマン 奇跡に愛された男」 で紹介した作品があります。2012年のスウェーデン・イギリスのドキュメンタリー映画で、2013年度のアカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞しています。原題を"Searching for Sugar Man"といいます。1960年代後期にアメリカでデビューした歌手ロドリゲスの奇跡的な人生を描いた作品です。もう本当に「驚愕の事実」が描かれています。わたしがこれまでに観た全映画の中でもベスト3に入る超名作です!
これから、どういったミュージシャンの伝記映画が作られるのでしょうか。わたしは、フランク・シナトラ、エルヴィス・プレスリー、ミック・ジャガー、マイケル・ジャクソン、マドンナ、スティング、ブライアン・フェリーの伝記映画が観たいですね。日本人ならば、北島三郎、大瀧詠一、矢沢永吉、桑田佳祐といったところでしょうか。しかし、最も映画化してほしいミュージシャンといえば、やはり、ザ・ビートルズです。世界の音楽史に燦然と輝くジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターの4人の物語を観てみたい!
伝記映画ではありませんが、ビートルズをテーマにした「イエスタディ」という映画が10月11日から公開されます。これは「もしも自分以外の誰もザ・ビートルズを知らない世界になってしまったとしたら!?」という、きわめてユニークな物語で、ダニー・ボイル監督の作品です。「イエスタディ」「レット・イット・ビー」「ヘイ・ジュード」といった名曲の数々を自分の作品として発表できたら、一体どうなるでしょうか? これは、じつに楽しみですね!