No.979


 12月1日の日曜日は大安吉日でしたが、インドのアクション大作映画「JAWAN/ジャワ―ン」をシネプレックス小倉で観ました。2023年インド映画興収第1位にして、インド映画世界歴代興収第5位の作品です。非常に面白く、171分の上映時間があっと言う間でした。
 
 映画ナタリーの「解説」には、こう書かれています。
「ボリウッドスターのシャー・ルク・カーンが主演する、2023年にインドで興行収入1位を記録したアクション映画。ある目的のために包帯で顔を覆った謎の男と女性たちが、ムンバイの地下鉄で乗客を人質に取り、政府に多額の身代金を要求する。監督はアトリー。共演はナヤンターラ、ディーピカー・パードゥコーン、ヴィジャイ・セードゥパティら」
 
 映画ナタリーの「あらすじ」は、以下の通りです。
「ある日、包帯で顔を覆った謎の男と6人の女性たちが、ムンバイの地下鉄をジャックする。乗客を人質に身代金を政府に要求する彼らに対して、政府は交渉人を立てるが、救出作戦は失敗する。政府は身代金の口座を凍結するが、金銭は既に困窮者に配られていて......」
 
「JAWAN」というのは「兵士」という意味です。ある兵士が、武器が不良品だったことによって多くの仲間を失い、義によって武器商人を告発します。それが武器商人の逆恨みを買って、災厄に遭うことが発端の物語です。ストーリーが二転三転しますが、ときどきインド映画のトレードマークというべきダンスシーンが入ります。特に、シャー・ルク・カーン多くの女囚を従えて踊る群舞は壮観でした。これぞ、ボリウッド・ムービーですね!
 
 これまで日本で公開されたインド映画の中で、わたしが最も好きなのは、 一条真也の映画館「RRR」で紹介した2022年の日本公開作です。映画の持つ可能性を最大限に発揮したウルトラ・スーパー・エンターテインメント超大作でした。1920年、イギリスの植民地政策下にあるインド。野性を秘めた男・ビーム(N・T・ラーマ・ラオ・Jr)はイギリス軍に連れ去られた村の少女を救うため、仲間と共にデリーへ向かいます。そこで、ある出来事をきっかけに内なる怒りを燃やす男・ラーマ(ラーム・チャラン)と出会い、互いの身分を知らないまま親友となります。しかしラーマはイギリス軍の警察官であり、ビームの本当の目的を知った彼は友を投獄するのでした。
 
「JAWAN/ジャワ―ン」に話を戻します。ネタバレにならないように気をつけて書くと、この映画は「ロビンフッド」のような義賊の物語です。彼らのテロ活動が、現代インドに潜んでいるさまざまな闇を明るみにします。テロリストに感情移入できる映画というのも珍しいですが、彼らの行動によって「10年がかりの案件が5時間で解決できる」というのはスカッとしました。あと、この映画は父と息子の絆の物語でもあります。息子の「すべては父さんのためにやったんだよ」という言葉と、ラストでの父子の熱い抱擁には泣けました。やはり、「映画は、愛する人を亡くした人への贈り物」でした。