No.541


 8月1日の日曜日、シネプレックス小倉でディズニー映画「ジャングル・クルーズ」を観ました。吹き替えは夏休みのチビッ子が多いと思ったので、字幕版を選びました。すると、なぜか老人の1人客が多かったです。映画の内容は「女版インディー・ジョーンズ」で、面白かったです!

 

 ヤフー映画の「解説」には、こう書かれています。
「ウォルト・ディズニーが1955年に開園させた最初のディズニーランドに、オープン当初から存在するアトラクション『ジャングル・クルーズ』を題材にした冒険スペクタクル。ボートでのジャングル探検をベースに、アマゾンの不老不死の伝説を絡めた冒険譚を描き出す。主人公を『ワイルド・スピード』シリーズなどのドウェイン・ジョンソン、ヒロインを『メリー・ポピンズ リターンズ』などのエミリー・ブラントが演じる」

 

 ヤフー映画の「あらすじ」は、以下の通りです。
「アマゾンの伝説では"奇跡の花"を手に入れた者は、永遠の命を授かると言い伝えられてきた。行動力と冒険心にあふれる博士リリー(エミリー・ブラント)は、その伝説に魅せられ、スリリングなアマゾンのジャングルへ冒険に向かう。彼女は観光客用クルーズツアー船の船長フランク(ドウェイン・ジョンソン)を旅の相棒として選ぶ」

 

 最近、暑さのせいか、あるいはトシのせいか、どうも映画館で映画を観始めると眠くなるのですが、この映画は冒頭からハラハラドキドキで、おめめパッチリのまま飽きることなく最後まで一気に観ることができました。やはり、冒険映画はこうでなくてはいけません! ジャングルを知り尽くしたクルーズ・ツアーの船長のフランク(ドウェイン・ジョンソン)、並外れた行動力を持ち、<奇跡の花>を追い求め、ジャングルの中でも勇敢に立ち向かう植物博士のリリー(エミリー・ブラント)、そしてリリーの弟であるマクレガーの3人組が良い味を出していました。

 

 わたしは、何を隠そうエミリー・ブラントが大好きなのですが、この映画での彼女は本当に美しかったです。顔が端正なだけでなく、知性を感じさせる美しさですね。一条真也の映画館「クワイエット・プレイス」「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」で紹介した映画に主演する彼女も良かったのですが、両作品ではホラー映画という性質上、つねに険しい顔をしていました。それがこの「ジャングル・クルーズ」では険しい顔もするけれども、笑顔もたくさん見せてくれて大満足です。彼女は現在38歳ですが、20代の女優たちよりもずっと輝いているように思えてなりません。そう、わたしはアラフォーのクール・ビューティーが大好きなのであります!

 

 ドウェイン・ジョンソンも船長役が似合っていて、良かったです。一条真也の映画館「ランペイジ 巨獣大乱闘」で紹介した映画では、ジョンソン演じる主人公が巨大な猿と友達になりますが、「ジャングル・クルーズ」の原住民の村はちょっと「キングコング」の棲む村にそっくりでしたね。最近の「モンスターバース」のコングが棲むスカルアイランドではなく、1933年に作られた「キングコング」第1作に登場する村です。思い起こせば、「キングコング」以前は、幾多のターザン映画などで、ジャングルの猛獣たち、ゴリラやライオン、ゾウなどが恐るべきモンスターとして描かれていました。そう、映画の世界では「怪獣」よりも先に「猛獣」がスクリーンに登場して、観客たちを震え上がらせたのです。その意味で、「ジャングル・クルーズ」に登場する猛獣はジャガーぐらいで、ちょっと物足りませんでした。もっと、猛獣をたくさん出してほしかった!

 

 この映画は、実際のアトラクション「ジャングル・クルーズ」を題材に映画化したものです。ジャングルクルーズは、各ディズニーランド・パークのアドベンチャーランドに位置しており、キャストが演じる「スキッパー(船長)」の軽妙なトークに導かれながら、ボートでジャングルを巡る体験を味わうアトラクションです。 1941年にウォルト・ディズニーが南米コロンビアの川をさかのぼった時の体験を元に構想されたそうで、アマゾン川、ナイル川、イラワジ川を再現したコースとなっています。もともと、ウォルトはこのアトラクションに登場する動物たちを本物の動物にしようと考えていましたが、本物の動物では思うように動いてくれなかったり、夜行性の動物などもいてウォルトの思うようにはいきませんでした。そこで、当時開発されたばかりのオーディオアニマトロニクスを使い、どのゲストにも同じような動きをしていつでも思うように動いてくれる動物を作り上げることができたのです。

 

 オーディオアニマトロニクスを使ったディズニーランドの人気アトラクションといえば、「カリブの海賊」も有名です。1967年にオープンしましたが、ウォルト・ディズニーが監修した最後のディズニーランドのライドの1つです。ディズニーはこの乗り物を、海賊の伝説や民話に基づいて制作したとされています。「カリブの海賊」は「ジャングル・クルーズ」よりずっと早く映画化されました。「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」(2003年)です。主人公の海賊ジャック・スパロウをジョニー・デップが演じて大ヒットし、続編として「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」(2006年)、「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」(2007年)、「パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉」(2011年)、「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」(2017年)が製作され、第6作目の製作も予定されているそうです。わたしは海賊にあまり興味がないので観ていませんが、娘たちが好きで自宅にはシリーズのDVDが揃っています。

 

 「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズはまったく観ていないわたしが、なぜ、同じ系統の映画である「ジャングル・クルーズ」を観ようと思ったのか? それは、ひとえにこの映画が「女版インディー・ジョーンズ」と表現されていることを知ったからです。わたしは、三度の飯より「インディー・ジョーンズ」シリーズが大好きで、こちらは全部観ています。架空の考古学者であるインディアナ・ジョーンズを主人公とした冒険を描く映画、ドラマ、小説シリーズ、およびそれを基にした一群のフィクションで、連続活劇の現代版。シリーズ全体の原案はジョージ・ルーカスとスティーヴン・スピルバーグ。製作はルーカスフィルム。「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」(1981年)、「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」(1984年)、「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」(1989年)、「インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国」(2008年)は、最後の作品を除いて血湧き肉躍る素晴らしいエンターテインメントでした。現在、ディズニーランドと東京ディズニーシーには、アトラクション「インディ・ジョーンズ・アドベンチャー」が楽しめます。エミリー・ブラント演じるリリー・ホートンも、インディ・ジョーンズもともに戦前の考古学者ですので、いつか2人のコラボ作品をディズニーに作ってほしい!

 

 さて、「ジャングル・クルーズ」は2021年7月29日から劇場公開されていますが、30日からはDinsney+でも配信(追加料金が必要なプレミアアクセスで公開)されています。劇場公開中の作品を配信するというのは、大きな違和感をおぼえますね。29日、女優のスカーレット・ヨハンソンは、主演したマーベル映画「ブラック・ウィドウ」の劇場とストリーミング配信での同時公開は契約違反に当たるとして、マーベルの親会社ディズニーを相手取り、ロサンゼルスの裁判所に提訴。ディズニーの決定により巨額の損失を被ったと主張しています。

 

 訴状によると、ハリウッドでトップレベルの出演料を取る大スターであるヨハンソンは、期待作だった「ブラック・ウィドウ」の出演料として、劇場での興行収入に比例する金額を受け取る契約を結んでいました。ヨハンソンの代理人弁護士は、「ディズニーが『ブラック・ウィドウ』などの映画を直接ディズニープラスで公開するのは、会員数を増やし、株価を上げることが目的であること、そしてそのための口実として新型コロナウイルスを隠れみのにしていることは、誰もが知っている事実だ」と主張。劇場公開中は配信を待つというのは当然の話であり、それを崩すことはディズニー王国を崩壊させるモラル・ハザードにつながると考えるのは、わたしだけではありますまい。