No.873


 日本映画「毒娘」を小倉コロナワールドで観ました。一条真也の映画館「変な家」で紹介した現在公開中のホラー映画について書かれたネット記事の中で期待の日本ホラー映画として紹介されていたので観たのですが、正直ビミョーでしたね。
 
 ヤフーの「解説」には、こう書かれています。
「『許された子どもたち』などの内藤瑛亮が監督などを手掛け、ある新婚家族に起きた出来事を描くホラー。10代の少女を家族に迎えた母親と父親、謎の少女・ちーちゃんの争いを描く。ドラマ『サブスク不倫』などの佐津川愛美が主人公を務めている。ちーちゃんのキャラクターデザインを担当するのは、『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』『惡の華』などのコミックが映画化された押見修造」
 
 ヤフーの「あらすじ」は、以下の通りです。
「家庭環境に恵まれなかった萩乃(佐津川愛美)はようやく幸せをつかみ、夫と10代の義理の娘・萌花と共に中古の一軒家に引っ越す。ある日、萩乃は外出中、必死に助けを求める萌花からの電話を受ける。彼女が慌てて帰宅すると、家は荒らされ、ずたずたに洋服を切り裂かれた萌花と、彼女に馬乗りになって大きなはさみを握りしめている、見知らぬ少女がいた」
 
「毒娘」は、2011年にインターネットの匿名掲示板で話題となった、ある新婚家族の出来事をモチーフとしつつ、オリジナル脚本で作り上げた内容だそうです。物語は10代の女の子と継母の関係を軸にして、謎の少女「ちーちゃん」との壮絶な争いを描くというものです。主人公の萩乃を演じた佐津川愛美は美人なのですが、声がアニメ声というか、ちょっと苦手な声でした。それで「毒娘」ちーちゃんよりも萩乃の方が怖かったです。さらに怖いというか不気味だったのは、竹財輝之助が演じた萩乃です。こいつ、やたらとスマホで写真を撮ってインスタに上げたり、イケオジ気取りなのかサングラス姿でオンライン会議に出たりと......とにかく不快なキャラでした。
 
『変な家』大ヒットの一方で"賛否両論"の理由と、直近の日本ホラー映画7作品から期待できること」という「オール・アバウト・ニュース」の記事の最後に「毒娘」が紹介され、「本作は『変な家』と同じように(高校生以上の)若い人にも届いてほしいです。劇中では思春期にある暗い感情を攻撃に変え、誰かを傷つけてしまう『間違った選択』の悲哀と恐怖も描かれているので、反面教師的に学べることはきっとあるはずですから。クライマックスのとある場面では思わず涙してしまいましたし、それは内藤瑛亮監督の過去作『ミスミソウ』や『許された子どもたち』にも通ずる要素でした」と書かれていました。この文章を読んで、鑑賞を決意した次第です。
 
 ネタバレになるので、「毒娘」のストーリーや、ちーちゃんの正体には詳しく触れません。ただ、この映画を、小倉コロナシネマワールドの8番シアターで観たのですが、観客がわたしを含めて2人でした。しかも、もう1人は全身黒ずくめの長身の女性だったので、その人の存在の方が怖かったです。そういえば、以前このコロナシネマで奥菜恵主演の「弟切草」(2000年)をたった1人で鑑賞した思い出があります。そのときは夜遅くの最終上映だったこともあって、ハンパなく怖かったです!
 
 最近では、一条真也の映画館「ズーム/見えない参加者」で紹介した2020年のイギリス映画を観たときが観客が2人でした。ホラー映画以外でもいつも観客数が少ないので、シネコンとして経営が成り立つのが心配になります。でも、こういう映画館が今後も存続してくれると、映画好きのわたしとしては大変助かるのです。というのは、いつも行くシネプレックス小倉などでは上映されない映画、東京でいえば新宿あたりの劇場でしか上映されないような作品が観れるからです。がんばれ、小倉コロナシネマワールド!