No.940
8月18日の日曜日、実家に寄って父と話した後、アメリカ映画「フォールガイ」をシネプレックス小倉で観ました。痛快娯楽映画という感じでしたが、ストーリーの部分が弱くて、面白く感じられませんでした。かなり爆睡しました。The Endの後に10分のラッシュ映像が続きます。これが評判を呼んでいるそうですが、これも正直つまらなかったです。トイレに行きたかったのもあって、ラストの特典映像の上映途中に退席しました。
ヤフーの「解説」には、こう書かれています。
「『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』などのデヴィッド・リーチ監督によるアクション。ある映画スターの失踪を機に、その行方を追うスタントマンが思いがけない事態に巻き込まれる。スタントマンを『ブレードランナー 2049』などのライアン・ゴズリング、彼の元恋人である映画監督を『クワイエット・プレイス』シリーズなどのエミリー・ブラントが演じ、リーチ監督作『ブレット・トレイン』などのアーロン・テイラー=ジョンソン、『アス』などのウィンストン・デュークらが共演する」
ヤフーの「あらすじ」は、以下の通りです。
「大けがで一線を退いていたスタントマンのコルト・シーバース(ライアン・ゴズリング)。思いがけずハリウッドの撮影現場に舞い戻ることになった彼は、そこで監督を務める元恋人ジョディ・モレノ(エミリー・ブラント)と再会し、彼女の気を引こうと命懸けのスタントを披露する。そんなとき、主役俳優トム・ライダー(アーロン・テイラー=ジョンソン)が突如姿を消す。ジョディとの復縁とともに自らの銀幕復帰も期待し、コルトはトムを捜し始めるが、次第に危険な状況に追い込まれていく」
映画「フォールガイ」は、アクションコメディです。主演のライアン・ゴズリングは好きな俳優なのですが、この作品といい、一条真也の映画館「バービー」で紹介した2023年のハリウッド映画といい、コメディ的要素の強い作品には彼は向いていないように思います。ただアクション映画に向いていないかというとそうではなく、 一条真也の映画館「ラ・ラ・ランド」で紹介した2016年のミュージカル映画でも見せた彼の身体能力の高さが際立ちましたが、「フォールガイ」でのクラブファイトのシーンは良かったです。ライアン演じる主人公コルトが側にあったシャンパンクーラーを使って闘う場面は痛快で、シャンパンボトルはもちろん、氷や容器も武器にしたのはグッド・アイデアでした。ちなみに、ゴズリングはこの映画の製作者でもあります。
「フォールガイ」の最大の見せ場は、オーストラリアのシドニーのハーバーブリッジ上でのファイトシーンです。全速力で疾走する大型車の下にコルトがしがみつきながら闘うシーンはそれなりの迫力ですが、今ひとつエキサイトできなかったのは通常の上映形式で鑑賞したからかもしれません。やはり、こういったアクション映画は4DXやIMAXで観た方がよいのでしょうね。カーアクションといえば、「ワイルド・スピード」シリーズが有名だそうですが、わたしは観たことがありません。もともと、カーアクションというものに興味がないのです。あいすみません。
ブリッジファイトのシーンでは、映画撮影スタッフによるカラオケ・シーンが挿入されていました。そこで、エミリー・ブラント演じる映画監督ジョディがカラオケを歌うのですが、正直あまり上手ではありませんでしたね。2018年のミュージカル映画「メリー・ポピンズ リターンズ」で主役のメリー・ポピンズを演じ、美しい歌声を披露していましたが、あれはもしかして吹替えだったのでしょうか? エミリー・ブラント自身はわたしの大好きな女優なのですが、ライアン・ゴズリング同様にコメディ映画には向かないと思いました。「クワイエット・プレイス」シリーズでの彼女のシリアスな演技が好きです!
話は変わりますが、わたしが「フォールガイ」を観ようと思った最大の理由は、予告編の雰囲気が一条真也の映画館「ARGYLLE/アーガイル」で紹介したアメリカ・イギリス合作映画の予告編に似ていたからです。後から、この両作品はユニバーサル・ピクチャーズの映画だと知りました。予告編の製作も同じスタッフが担当したのかもしれません。ただ、予告編の雰囲気は似ていましたが、「ARGYLLE/アーガイル」の方が登場人物たちがオシャレで、わたし好みでしたね。「キングスマン」シリーズなどのマシュー・ヴォーン監督によるスパイアクションです。小説の内容が現実のスパイ組織の行動を言い当てていたことから、その作者が命を狙われる物語でした。ちなみに、「ARGYLLE/アーガイル」に出演した猫のアルフィーと、「フォールガイ」に出演した犬のジョンは、今年の一条賞のワンニャン賞候補です。(笑)
この記事の冒頭で、映画「フォールガイ」はストーリー部分が弱いと書きましたが、基本的には主人公が殺人犯の濡れ衣を着せられる物語です。映画の中で、登場人物の1人が「ハリソン・フォードの『逃亡者』なら、この辺で敵が現れるはずだな」というセリフが出てきます。1993年の映画「逃亡者」は、妻殺しの罪を着せられた医師が警察に追われながらも真犯人を見つけ出すというサスペンス映画の名作です。1960年代の年代のテレビドラマ・シリーズ「逃亡者」をベースとしたリメイク作品で、医師リチャード・キンブルをハリソン・フォード、連邦保安官補サミュエル・ジェラードをトミー・リー・ジョーンズが演じました。「フォールガイ」には「逃亡者」へのオマージュ的な要素があるのかもしれませんが、それにしてはアクションに頼りすぎで、物語が弱すぎました。
映画「フォールガイ」は、賞金稼ぎを題材としたテレビドラマ「俺たち賞金稼ぎ!!フォール・ガイ」(1981年~1986年)の映画化です。デヴィッド・リーチ監督は元スタントマンです。ですので、この映画にはスタントマンへの愛情が溢れています。この映画では、ギネス世界記録が達成されています。ビーチで撮影された"キャノンロール"という車内に設置されたキャノン砲を走行中に発射し、その発射時の力を使って車を横転させるという危険なカースタントに挑戦し、「キャノンロールによる回転数」のギネス記録を達成しました。これまでのギネス世界記録は「007/カジノ・ロワイヤル」(2006年)の7回転でした。今回スタントダブルのローガン・ホラデイが行ったキャノンロールはその記録を1回転半も上回る8.5回転を記録したそうです。申し訳ないですが、こういうの、まったく興味がありません。やはり、わたし向きの映画ではありませんでしたね。あいすみません。
「フォールガイ」という英語は、スタント界の用語で「高所からの落下」を意味します。映画の冒頭でも、ライアン・ゴズリング演じるコルトの落下シーンが登場します。スタントマンであるコルトの原動力が、撮影監督からキャリアを積み映画監督デビューを控えている元恋人ジュディです。彼女が初監督を務めるSF恋愛超大作「メタルストーム」を何とか完成させるため、コルトは文字通り命を賭けて身を捧げ、"フォールガイ"に徹するのでした。ちなみに「メタルストーム」の主演を務めるのは映画界のスーパースターであるトム・ライダー(アーロン・テイラー=ジョンソン)でしたが、リアルな映画界のスーパースターの"トム"といえば、トム・クルーズです。ブログ「トムは60代のヒーロー!」で紹介したパリ五輪の閉会式で、トム・クルーズがスタジアムの屋根から大降下する演出が世界中で話題になりました。映画「フォールガイ」を観終わって、わたしの脳裏に浮かんだのは彼の雄姿だけでした。ちょっとしつこいようですが、あいすみません。