No.1222
2月21日、一条真也の映画館「センチメンタル・バリュー」で紹介したヨーロッパ映画に続いて、ローソン・ユナイテッドシネマ小倉の同じ3番シアターの同じ席で日本映画「夜勤事件 The Convenience Store」を鑑賞。ほぼ満席で驚きましたが、10代の女性が多かったです。一条真也の映画館「8番出口」で紹介した2025年の日本映画といい、ホラーゲーム原作の映画は若い人に人気が高いのですね。内容は既視感のある"ザ・Jホラー"といった印象でした。
ヤフーの「解説」には、こう書かれています。
「インディーゲーム制作チーム『Chilla's Art』による深夜のコンビニエンスストアを舞台にしたゲームを原作に、『きさらぎ駅』などの永江二朗監督が映画化したホラー。女子大学生がアルバイトをしている夜勤のコンビニで、ある夜を境に奇妙な出来事が次々と起こるようになる。主人公を『ミーツ・ザ・ワールド』などの南琴奈が演じ、関哲汰、田中俊介、竹財輝之助などが共演する」
ヤフーの「あらすじ」は、以下の通りです。
「古びたアパートで一人暮らしをしている女子大学生の田鶴結貴乃(南琴奈)は、さびれた住宅街の片隅にあるコンビニエンスストアで夜勤のアルバイトをしていた。静かな深夜のコンビニで淡々と働いていた結貴乃だったが、ある夜を境に、差出人不明の謎の配送物が届いたり誰もいないはずの場所を向く監視カメラに何かが映っていたりといった異変が起こり始める」
主演の南琴奈は可愛かったです。というか、こんな可愛い女子大生が深夜に1人でコンビニの店番なんかしていたら、「幽霊とかいう以前にフツーに危ない!」と思いました。映画そのものはけっこう怖いといえば怖いのですが、物語の設定そのものが日本ホラー映画史に燦然と輝く中田秀夫監督の「リング」(1998年)のアイデアをそのまま拝借していますし、刑事の机の下から白い顔をした少年が見上げるシーンなどは清水祟監督の「呪怨」シリーズの俊雄そのものでした。「リング」と「呪怨」といえばJホラーの両横綱ですが、そこに一条真也の映画館「きさらぎ駅」で紹介した2022年のホラー映画のテイストまで加わります。同作は、「夜勤事件 The Convenience Store」の永江二朗監督がメガホンを取っているのです。その意味では、きわまて贅沢なJホラーと言えるかもしれません。
「リング」は、鈴木光司の人気ホラー小説を「女優霊」(1996年)の中田秀夫監督が映画化した作品で、見ると死んでしまうという謎のビデオテープを巡って繰り広げられるホラー・サスペンスです。テレビレポーターの浅川玲子(松嶋菜々子)は、見たら1週間後に死ぬというビデオテープの噂を耳にします。にわかには信じられない玲子だったが、姪の死をきっかけにビデオについて調べ始めます。やがて、偶然手に入れた問題のビデオを確認のため見た玲子は、その内容に、噂が本当であることを確信します。が、それは7日後の自分の死を意味したのでした。
「呪怨」は、2000年に発売された清水崇監督・脚本によるホラーのビデオ作品および、これを原作とする2003年に単館系で公開されたホラー映画です。登場するキャラクター佐伯伽椰子の声やその子供である佐伯俊雄の姿は見るものに強烈なインパクトを残し、「リング」の山村貞子と並んでコントパロディに使用されることが多いです。 一条真也の映画館「貞子vs加耶子」で紹介した2016年の白石晃士監督作品は、「フレディvsジェイソン」(2003年)や「エイリアンvsプレデター」(2004年)に通じる馬鹿馬鹿しさ、もとい衝撃度を映画界に与えました。
「きさらぎ駅」は、2004年にインターネット掲示板「2ちゃんねる」に書き込まれて以来、いまだ話題となる都市伝説をモチーフにしたホラー映画です。民俗学を専攻する女子大生が、異世界の駅の謎に迫ります。大学で民俗学を学ぶ堤春奈(恒松祐里)は、十数年来インターネット上で話題になっている都市伝説「きさらぎ駅」を卒業論文の題材に決めます。調査の結果、この都市伝説の投稿者「はすみ」だと噂されている女性・葉山純子(佐藤江梨子)の存在を知った彼女は、数か月にわたって連絡を取り続け、ついに純子と対面を果たします。異世界へ辿り着いたという純子の体験を取材後、春奈は「きさらぎ駅」の舞台となった駅へ向かうのでした。
さらには、「夜勤事件 The Convenience Store」と同じくホラゲー(ホラーゲーム)から生まれた作品に、「8番出口」があります。ゲームクリエーターの KOTAKE CREATE が制作した、異変探しゲームを原作にしたドラマです。無限にループする地下通路で、そこに迷い込んだある男性が8番出口を目指します。どこにでもありそうな地下鉄の駅に、ある男性(二宮和也)が閉じ込められてます。そこは地下通路が無限にループする世界で、そこでは異変を見逃すことなく、万が一異変を見つけた場合はすぐに引き返すのがルールでした。もし異変が見つからなかったときは引き返さずに、最終的に8番出口を見つけてそこから外に出なければならないのでした。
ホラーゲーム「夜勤事件」は、2020年2月18日にリリースされました。プレイ時間は約40分で、3種類のエンディングが用意されているそうです。リリース後からバーチャルYouTuberの間でプレイされ、一時ブームになっていました。時は2009年9月14日。とある一家の父が会社でのパワーハラスメントによってうつ病となり、わが子と母を殺害した後に自殺するという事件が発生。しかし、その家の跡地はすぐにコンビニとなりました。その事件を知らない女子大生の主人公(田鶴結貴乃)はそこでのアルバイトを見つけ、高額給与が発生する夜勤アルバイトを行うこととなります。しかし、働いていくうちに、コンビニや近隣にて怪奇現象が起きていくというストーリーです。「リング」「呪怨」「きさらぎ駅」といったJホラーの名作のコラージュ的性格を持つ「夜勤事件 The Convenience Store」ですが、正直、「もっと、ホラー映画としてのオリジナリティが欲しかった!」と思ったのは、わたしだけではありますまい。


