No.1298
6月27日、一条真也の映画館「四月の余白」で紹介した日本映画を観た後、同じローソン・ユナイテッドシネマ小倉でアメリカ映画「ロングウォーク」を観ました。スティーヴン・キングの処女長編小説が原作ということで期待しましたが、あまりにもリアリティに欠ける話で、かなり引きました。
ヤフーの「解説」には、「スティーヴン・キングがリチャード・バックマン名義で発表した小説「死のロングウォーク」を映画化したドラマ。立ち止まったりスピードを緩めると死が待ち受けるというルールのもと、参加者50人が最後の一人になるまで歩き続ける架空の競技「ロングウォーク」に挑む若者たちの運命を描く。監督は『ハンガー・ゲーム』シリーズなどのフランシス・ローレンス。『リコリス・ピザ』などのクーパー・ホフマン、『エイリアン:ロムルス』などのデヴィッド・ジョンソン、『スター・ウォーズ』シリーズなどのマーク・ハミルらが出演する」と書かれています。
ヤフーの「あらすじ」は、「国家が分断された近未来のアメリカで、国を挙げて開催される競技『ロングウォーク』。それは時速4.8キロメートルを維持して歩き続け、減速すると警告、警告3回で殺害というルールのもと、参加者50人が最後の一人になるまで続くという競技だった。競技を取り仕切る少佐(マーク・ハミル)が監視する中、最後の一人に与えられる破格の賞金と望みを一つだけかなえられる権利を獲得しようと、若者たちが歩き続ける」となっています。
今年は、よくスティーヴン・キングの原作映画が日本公開されています。本作で3本目となりますが、1本目は一条真也の映画館「ランニング・マン」で紹介した1月30日公開のSF映画です。本作と同じく、原作はリチャード・バックマン名義の作品です。ベン・リチャーズ(グレン・パウエル)は、重病を患う娘の医療費のためにリアリティショー『ランニング・マン』に参加します。その内容は、懸賞金狙いの視聴者が注視する中でハンターの追跡から30日間逃げ切ることができたら賞金、捕まったらテレビカメラの前で直ちに殺されるという究極のデスゲームでした。
2本目は一条真也の映画館「サンキュー、チャック」で紹介した5月1日公開のSF映画です。スティーヴン・キングの中編小説「チャックの数奇な人生」が原作です。大規模な自然災害などが相次ぎ、終わりを迎えつつある世界。インターネットもSNSもつながらない中、街頭やテレビ、ラジオに「チャールズ・クランツに感謝します。素晴らしい39年間に、ありがとう、チャック」という謎の広告が突如現れます。高校教師・マーティ(キウェテル・イジョフォー)は元妻・フェリシア(カレン・ギラン)に会うため家を飛び出したが、誰もいない街はチャック(トム・ヒドルストン)の広告で埋め尽くされていました。チャックが何者なのか誰にも分からない中、徐々に彼の数奇な人生が明かされていきます。
そして、3作目が「ロングウォーク」。「ランニング・マン」と同じく、リチャード・バックマン名義の小説「死のロングウォーク」が原作です。 一条真也の映画館「シビル・ウォー アメリカ最後の日」で紹介した2024年の映画を連想させるような内戦によって分断された近未来のアメリカで、国をあげて開催される競技"ロングウォーク"。ただひたすらに歩き続けるだけで破格の賞金と願いを1つ叶える権利を獲得できるこの祭典に、選ばれし50人の若者が挑戦します。勝者となるためには「時速4.8㎞をキープすること」「速度を下回り警告を受けないこと」「最後の一人になるまで歩き続けること」のルールを守ることが条件です。
しかし、このルールはあまりにも非現実的です。何日間も眠らずに歩き続け、小便も大便も歩きながら垂れ流すというのはリアリティ・ゼロ。わたしは、ホラー・ファンタジー・SFといった非現実を描く物語ほど細部のリアリティが欠かせないと考えているので、まったくこの物語に入っていけませんでした。休息も睡眠も救いも存在しないデスゲーム。3つ警告を受けると即死の状況下で臨む、地獄の一本道の先に待ち受けるのは希望か、絶望か。物語のアイデア自体は悪くないのですが、ルールをもう少し現実的にすべきであると強く感じました。不眠不休で歩き続ける者たちが軽快にお喋りする姿にも違和感がありましたね。
このイカれた競技を執り仕切る鬼少佐役を「スター・ウォーズ」シリーズのルーク・スカイウォーカー役で知られるマーク・ハミルが演じています。「ロングウォーク」のインタビュー映像には、レースの参加者を演じた次世代の実力派俳優たちが少佐を演じたレジェンド俳優のハミルを取り囲み、和やかに言葉を交わす姿があります。冒頭、マークが「本作で重要なのは若者たちです」と切り出し、続いてビリー・ステビンズ役のギャレット・ウェアリングが「撮影を通して420㎞以上は歩きました」と、劇中さながらの厳しい撮影に挑んだ舞台裏を明かします。レイ・ギャラティ役のクーパー・ホフマンも「お互いを称え合って、"最高の仕事"をしているんだと励ましていました」と、当時を振り返っています。


