No.1130


 フジテレビの不適切会合に端を発した福山雅治騒動。その渦中の人物が主演の日本映画「ブラック・ショーマン」をローソン・ユナイテッド・シネマ小倉で観ました。まあ福山雅治はどうでもいいのですが、主演女優の有村架純の演技が見たかったのと、原作が東野圭吾の小説ということに興味を惹かれ、鑑賞を決めました。あと、もう1つ大事なことを確認するために映画館に足を運びました。
 
 ヤフーの「解説」には、こう書かれています。
「東野圭吾の小説『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』を実写化したミステリードラマ。元中学校教師の父親を何者かに殺された女性が、卓越したマジックの技と人間観察力を誇る元手品師の叔父と共に事件の真相を追う。メガホンを取るのは『コンフィデンスマンJP』シリーズなどの田中亮。東野原作『ガリレオ』シリーズなどの福山雅治、『前科者』などの有村架純らが出演する」

 ヤフーの「あらすじ」は、「2か月後に結婚を控えていた神尾真世(有村架純)は、父・英一が何者かに殺されたと知らされ実家のある町に戻る。元中学校教師として多くの教え子から慕われていた英一が殺されたことが信じられず、真相の解明を願う真世のもとへ、叔父の神尾武史(福山雅治)がやってくる。ラスベガスで活躍した元マジシャンの武史は、卓越したマジックの技術と人間観察力、誘導尋問を駆使して、真世と共に事件解明に挑む」です。
 
 原作の『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』について、アマゾンには以下のように紹介されています。
「名もなき町。ほとんどの人が訪れたこともなく、訪れようともしない町。けれど、この町は寂れてはいても観光地で、再び客を呼ぶための華々しい計画が進行中だった。多くの住民の期待を集めていた計画はしかし、世界中を襲ったコロナウイルスの蔓延により頓挫。町は望みを絶たれてしまう。そんなタイミングで殺人事件が発生。犯人はもちろん、犯行の流れも謎だらけ。当然だが、警察は、被害者遺族にも関係者にも捜査過程を教えてくれない。いったい、何が起こったのか。『俺は自分の手で、警察より先に真相を突き止めたいと思っている』──。颯爽とあらわれた〝黒い魔術師〟が人を喰ったような知恵と仕掛けを駆使して、犯人と警察に挑む! 最新で普遍的。この男の小説は、ここまで凄くなる。東野圭吾、圧巻の離れ業」
 
 東野圭吾といえば現代日本を代表するベストセラー作家ですが、これまでに多くの作品が映画化されています。わたしは一条真也の映画館「ナミヤ雑貨店の奇蹟」、「マスカレード・ホテル」、「マスカレード・ナイト」、「ある閉ざされた雪の山荘で」で紹介した作品を観ましたが、最後を除いてどれも面白かったです。「ある閉ざされた雪の山荘で」はストーリーそのものよりも、シナリオが良くなかったように感じました。東野作品の映画化は、これまで「容疑者Xの献身」(2008年)の49.2億円をはじめ、「マスカレード・ホテル」(2019年)の46.4億円、「マスカレード・ナイト」(2021年)の38.1億円、「真夏の方程式」(2013年)の33.1億円、「沈黙のパレード」(2022年)の26.4億円など、ヒット作を連発しています。
 
 そして、映画新シリーズとして公開された「ブラック・ショーマン」でしたが、正直な感想は「まあまあかな」でしたね。やはり56歳になった福山雅治はオジサン感が漂っていて、まったく「華」を感じませんでした。かといって年齢が醸し出す「渋さ」も感じられず、主役を張るオーラはありませんでした。彼が繰り出すマジックも「ショボさ」が目立つというか、ハリウッドのイリュージョン映画のようなワクワク感がなかったです。一方の有村架純は抑え気味の演技が良かったです。スクリーンに映っているだけで存在感のある女優になりましたね。
 
 有村架純が演じる神尾真世の婚約者を演じたのが伊藤淳史というのがかなり違和感ありました。しかも、彼は他の女性の影が付きまとうモテ男の設定なのですから、なおさらです。もっと、モテ男らしい俳優を起用すべきだと思いました。刑事役の生瀬勝久は良かったですね。「トリック」シリーズの警察役でもおなじみですが、彼の刑事役は安心感があります。かつて、角川映画の金田一耕助シリーズで「よしわかった!」というセリフを連発していた等々力警部を演じた加藤武を彷彿とさせます。ちなみに彼が初登場した「犬神家の一族」(1976年)は17億円という当時では空前の大ヒットを記録し、「日本映画史上最高のミステリー」と称されました。
 
 ネタバレを避けるために、「ブラック・ショーマン」の詳しいストーリーに言及するのは控えますが、冒頭に有村架純演じる真世がウェディングドレスの試着シーンがあります。そのとき、スマホが鳴って真世は父である神尾英一の死を知るのでした。英一を演じたのは仲村トオルでしたが、わたしは彼が殺人者を演じた某名作ドラマが大好きなので、「あの仲村トオルが殺されている!」と、ちょっとショックでした。永遠の別れとなった父娘ですが、最後に英一の弟である神尾武史(福山雅治)の小粋なマジックによって、亡き父はもうすぐ花嫁になる真世と電話で会話します。父は「おめでとう」と言い、娘は「ありがとう」と言うのですが、この映画の上映前にシネアドとして流れたわがサンレーグループのCM「『ありがとう』篇」を連想したのは、わたしだけではありますまい。
劇場の通路で発見!



「ブラック・ショーマン」を観終わって劇場の外に出ると、通路に一条真也の映画館「男神」で紹介した話題のホラー・ファンタジー映画の巨大ポスターが貼られていました。いよいよ19日(金)に公開されますが、ブログ「『男神』が期待度1位!」で紹介したように、激戦の9月公開作の中で注目度はナンバーワンとなっています。この映画、わたしもチョイ役で出演しており、29日(月)に小倉での上映会&舞台挨拶が行われます。元宝塚の男役トップスター・彩凪翔さんとわたしが映画の舞台挨拶に立ちます。ぜひ、みなさまの御来場をお待ちしています!
男神」の横には「鬼滅」のPOPが!!



男神」の巨大ポスターのお隣には、一条真也の映画館「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」で紹介した大ヒットアニメのPOPが飾られていました。現在、同作は信じられないほどの快進撃を続けていますが、そのヒットの秘密を探った『「鬼滅の刃」と日本人』(仮題、産経新聞出版)をついに脱稿しました。「俺が書かねば誰が書く!」の気概で一気に書き上げた自信作です。京都から戻ってほどんど寝ないで執筆したのですが、目に負担をかけたようで、霰粒腫を患ってしまいました。眼科に行くと切開されました。とほほ。予約済みだったとはいえ、それでも映画鑑賞するわたしも根性が入っていますが。いずれにしろ、29日の舞台挨拶までには目の腫れを引かさないと!
舞台挨拶がんばります!